釈迦如来(しゃかにょらい)
釈迦如来(しゃかにょらい)は、仏教の開祖 釈迦を仏(仏陀)とした像
仏像における最高位の如来の一つで「釈迦如来」とも称される
上座部仏教(小乗仏教)では、釈迦如来が、現世における唯一の仏とされる
大乗仏教では、釈迦如来は、十方三世の無量の仏の一つで、現在の娑婆の仏とされる
三身説では、仏が現世の人々の前に現れた姿であるとされている
「十方三世」とは、東南西北とその中間である四隅の八方と上下の10方と、過去・未来・現在の3世のこと
釈迦如来像は、釈迦の生涯に合わせて、いろんな姿で造られる
<誕生像>
生まれてすぐ、右手を高く上げ、左手を下に指して、「天上天下唯我独尊」と話したという姿
上半身裸で腰に布をまとっている
<樹下思惟像>
青年期の出家前で、深く考え込んでいる姿
<苦行像>
修行中の痩せた姿
<出山像>
苦行に見切りをつけて山から下りてきたときの痩せた姿
<降魔成道像>
35歳頃の、雑念や誘惑を退けて悟りに達する姿
<説法像>
説法をして教えを広めている姿
<涅槃像>
沙羅双樹の下で入滅しようとする姿
右肩を下にして寝ています
<金棺出現像>
釈迦が入滅した後、一度だけ蘇って説法している姿
仏像としては存在していないといわれる
仏教では手と指の形に意味があるとされ、両手で特別な形を示した「印相(いんぞう)」が結ばれる
釈迦如来の基本的な印相が5つある
<定印(じょういん)>
釈迦が瞑想し、悟りを開いたときの様子を表し、坐像とされる
膝の前で手のひらを上に向け、左手の上に右手を重ね、親指の先を合わせる
阿弥陀如来の上品上生の印に似ている
<施無畏印(せむいいん)>
説法を聞く人々の緊張を和らげ安心させる姿を表す
手を胸の前に上げ、指を上にして、手のひらを正面に向ける
与願印と組み合わされて、右手で施無畏印をつくる
阿弥陀如来の下品上生の印に似ている
<与願印(よがんいん)>
人々の願いを聞き入れる、仏の深い慈悲を表す
手を下げ、指を下にして、手のひらを正面に向ける
施無畏印と組み合わされて、左手で与願印をつくる
阿弥陀如来の下品上生の印に似ている
<転法輪印(てんぽうりんいん)>
釈迦が説法したときの姿を表し、説法印とも称される
両手を胸の前におき、手首をひねり組み合わせる
釈迦がさまざまな身振りで説法を行なったことから、いくつかの印がある
<降魔印(ごうまいん)>
釈迦が修行しているときに、邪魔をしようとした者を追い払う姿を表す
右手をひざの前で伏せ、人差指を下に伸ばし地面に触れるようにする
釈迦如来像は単独や、脇侍を従えた形で安置される
<釈迦三尊像>
文殊菩薩と普賢菩薩との三尊
薬王菩薩と薬上菩薩との三尊
梵天天と帝釈天との三尊
<従属像>
十代弟子のうちの阿難(あなん)と荷葉(かしょう)を脇侍として従えることも多い
<十大弟子像>
釈迦の弟子の主な10人の像を眷属として従えることもある
舎利弗・目連・大迦葉・亜那津・須菩提・富楼那・迦旃延・優波離・羅こう羅・阿難
<木造 釈迦如来立像および像内納入品(国宝)(清凉寺)>
本尊で、ちょう然上人が中国 宗から持ち帰った立像
像高さ162cm
古代インドの優填王(うてんおう)が、釈迦の在世中に栴檀(せんだん)の木で造らせたという釈迦像を模刻したもの
「インド~中国~日本」と伝来したことから「三国伝来の釈迦像」と称されている
この釈迦像の模造が、奈良 西大寺本尊像をはじめ、全国に100体近くあり「清凉寺式釈迦像」と称される
縄目状の頭髪や同心円状の衣文の形式など異国情緒あふれる仏像
胎内には、造像に係わる資料、経典、文書、銭貨、ちょう然上人の遺品など多くの「納入品」が納められており、「生身如来」といわれている
納入品の一つである絹製の内臓の模型「五臓六腑」は、医学史の資料としても貴重なもの
ちょう然上人の遺品として、生誕書付(臍の緒書き)や手形を捺した文書なども発見された
日本三如来の一つ(平等寺の薬師如来立像・善光寺(長野県)の阿弥陀如来像)
<絹本着色 釈迦如来像(国宝)(神護寺)>
通称「赤釈迦」と称される
赤の衣を着た釈迦像を大きく表わし、衣・光背・台座などは繊細な切金文様と彩色で飾られている
平安時代末期の仏画
<銅造 釈迦如来坐像(国宝)(蟹満寺)>
本尊で、本堂中央に祀られている
由緒、伝来は不明
八尺八寸(約2.6m)、重量二千貫(約7トン)、ほぼ原型のまま残されている
2005年(皇紀2665)平成17年の調査では、白鳳時代頃のものであることが判明した
<刺繍 釈迦如来説法図(国宝)(勧修寺)>
「勧修寺繍帳」と称される
現在は、奈良国立博物館が所蔵している
<木造 釈迦如来立像(重要文化財)(西明寺)>
本堂の唐様須弥壇上厨子に安置されている本尊
運慶によって彫られた清凉寺式の釈迦如来像
生前の釈迦如来の面影を伝えているといわれる
鎌倉時代の作
<木造 釈迦如来坐像(重要文化財)(天龍寺)>
大方丈に安置されている本尊
浅く整えられた衣文や均整の取れたお姿で、穏やかな顔をしている
檜材の寄木造、彫眼、漆箔仕上げ
平安時代後期の典型的な様式
天龍寺の8度の火災においても助けられてきており、天龍寺に祀られる仏像の中で最も古い像
<木造 釈迦如来坐像(重要文化財)(龍源院)>
「建長二年行心作」の銘がある
1250年(皇紀1910)建長2年の作
京都八釈迦の一つ
<木造 釈迦如来坐像(重要文化財)(大報恩寺 千本釈迦堂)>
秘仏の本尊
創建当時の鎌倉時代の作
仏師 快慶の弟子である行快の作
<木造 釈迦如来立像(重要文化財)(二尊院)>
本堂の向かって右に安置されている
発遣(ほっけん)(現世から来世へと送り出す)の釈迦如来
<木造 釈迦如来立像(重要文化財)(因幡薬師堂 平等寺)>
1213年(皇紀1873)建保元年の作
<木造 釈迦如来立像(重要文化財)(延暦寺)>
転法輪堂(釈迦堂)の本尊の秘仏
最澄の自作といわれる
<丈六釈迦如来像(重要文化財)(戒光寺)>
本尊
鎌倉時代の仏師 運慶(うんけい)と湛慶親子の合作
宋風の極彩色の木像寄木造
京都八釈迦の一つ
像高は、約5.4m(一丈八尺)、台座から光背を含めると約10m(三丈三尺)になる
「大きな仏像」という意味で、「丈六さん」と称され、親しまれている
後陽成天皇の皇后の崇敬や、後水尾天皇の守護仏としても深く信仰されていた
<木造 釈迦如来坐像(重要文化財)(宝林寺)>
三如来坐像(3体とも重要文化財)として祀られている
平安時代の作
<清凉寺式 釈迦如来立像(重要文化財)(三室戸寺)>
<絹本著色 釈迦如来像(重要文化財)(玉林院)>