法金剛院(ほうこんごういん)(HoukongouIn) 京都通メンバ

所在地:京都市右京区花園扇野町   卍地図情報卍

律宗(りっしゅう) 唐招提寺(とうしょうだいじ)に属する寺院

山号:五位山(ごいさん)

本尊:阿弥陀如来国宝

開基:待賢門院

通称:蓮の寺

京都十三仏第十番霊場

関西花の寺第十三番

 法金剛院(ほうこんごういん)は、妙心寺の南の、古くから名勝の地として知られる双ヶ丘の東麓にある

 蓮(ハス)の寺として知られ、夏には、世界中から集められた多数の蓮(ハス)の花が咲く名所

 6月上旬には、平安時代の池泉回遊式浄土庭園の池畔に、濃紫・白・薄黄の花菖蒲が咲き誇る
 紫陽花(あじさい)沙羅(さら)などの花の名所でもある


【法金剛院の歴史・経緯】




【法金剛院の伽藍】

 最盛期には、
 五位山を背にして、中央に池が掘られ、池の西に西御堂(にしみどう)(丈六阿弥陀堂)、南に南御堂(九体阿弥陀堂)、
東に待賢門院の御所が建てられ、庭に青女の滝を造り、極楽浄土を表した庭園とされた
 その後、三重塔・東御堂・水閣(すいかく)などが建ち並んでいたといわれる

 <礼堂(本堂)>
 本尊の阿弥陀如来坐像十一面観音菩薩坐像・僧形文殊菩薩坐像などが安置されている
 北側には、釣殿が付設する
 参道から礼堂前には、鉢植えの蓮が多数置かれている
 1617年(皇紀2277)元和3年の再建

 <庭園(国の特別名勝
 池泉回遊式浄土庭園
 面積は約2000m2
 平安時代末期
 1133年(皇紀1793)長承2年
 待賢門院が、極楽浄土をあらわす庭園を造園させたもの

 青女の滝(せいじょのたき)
 巨岩が並べられ構成されている
 仁和寺の石立僧 林賢と静意の作といわれる
 平安時代末期の浄土庭園の遺構で、現存する同時代の滝石組としては最大の規模を誇る
 1968年(皇紀2628)昭和43年に、発掘され復元された
 平安時代の発願者、作者が明確であり、その遺構が残っている大変貴重なもの

 <表門>
 表門の左側には、「文徳天皇御旧跡 律宗別格本山 法金剛院」と彫られた石柱が建つ

 <鐘楼>
 表門をくぐってすぐ左に建つ

 <仏殿>
 礼堂の奥(西側)
 本尊の阿弥陀如来坐像国宝)、十一面観世音菩薩座像(重要文化財)など多数の仏像が安置されている

 <地蔵院>
 仏殿のさらに奥に建つ

 <仏足石>
 礼堂の東側、庭園の傍にある
 釈迦の象徴とされ、仏の三十二相の一つで足の裏に転法輪が描かれている

 <待賢門院堀河の歌碑
 「ながからむ心もしらず黒髪の みだれて今朝は物をこそ思へ」と彫られている
 庭園の北東側に建つ
 待賢門院堀河(たいけんもんいんのほりかわ)は、待賢門院(藤原璋子)に仕えて「堀河」と称された
 女流歌人で小倉百人一首にも選ばれている
 高さ約1.5m
 1997年(皇紀2657)平成9年に建てられたもの

 <待賢門院桜
 早咲きの枝垂れ桜
 「紫の桜」とも称される

 <五位山(ごいさん)>
 背後にある山
 仁明天皇が、山頂からの眺めが素晴らしいので、山に従五位下の位を授けたことから「五位山」と称される




【法金剛院の寺宝】

 <木造 阿弥陀如来坐像国宝
 本尊
 平安時代後期
 1130年(皇紀1790)大治5年の作
 仏師 院覚の現存する唯一の作
 木造漆箔、像高2.2mを超え、蓮弁の彫刻がみごとな大作で、西御堂(丈六阿弥陀堂)の本尊だった
 定朝様式の優美な装飾が加えられた像
 平等院法界寺とともに、「定朝の三阿弥陀」と称される
 2020年(皇紀2680)令和2年9月 国宝に指定される


 <木造 厨子入 十一面観音菩薩坐像(重要文化財)>
 本堂に安置されている
 像高69.2cm
 四臂(手が4本)の坐像としては例がない珍しいもの
 仏身は、粉溜塗、鳳凰の盛上彩色文や截金文がある
 1319年(皇紀1979)元応元年
 院派の仏師 院吉らによって造立される

 厨子(ずし)は、鎌倉時代の作
 天井は、八葉蓮華の天蓋
 三方開きの扉には十二天、背板には、三十三身分応化図が描かれている

 <木造 地蔵菩薩立像(重要文化財)>
 平安時代の作
 一木彫
 ずんぐりした体つきで、衣紋に古様がある

 <木造 僧形文殊菩薩坐像(重要文化財)>
 平安時代の作
 一木彫
 珍しい僧形の文殊菩薩

 <木造 地蔵菩薩坐像
 一丈六尺の大きさ
 目に金箔が貼られていたことから「金目地蔵(かなめじぞう)」と称される
 転じて「要地蔵」「叶地蔵(かなえじぞう)」とも称される
 平安時代後期の作

 <蓮華式香炉(重要文化財)>
 古清水(こきよみず)焼きで、蓮の花をかたどった香炉
 大型で、縁に金、紅、紫で彩色されている
 仁清(にんせい)の作といわれる
 京都国立博物館の寄託





花の名所

 関西花の寺第十三番
 4月上旬〜中旬 待賢門院桜(早咲の枝垂桜)、ソメイヨシノ
 6月上旬〜中旬 花菖蒲菩提樹沙羅(さら)
 6月中旬〜7月上旬 紫陽花(あじさい)
 7月上旬〜8月上旬 蓮(ハス)
 11月中旬〜下旬 紅葉



【法金剛院へのアクセス】

 JR山陰本線(嵯峨野線) 花園駅 徒歩約5分
 市バス 花園扇野町 徒歩すぐ
 京都バス 花園 徒歩約5分

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36.花の名所について、次のことは正しいかどうか?
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