法然院(ほうねんいん)は、専修念佛の祖 法然房源空上人のゆかりの寺院
三銘椿(五色散椿・貴椿・花笠椿)や白萩の名所
<本堂>
客殿造
恵心僧都作の本尊の阿弥陀如来坐像、法然上人自作立像、観音菩薩・勢至菩薩像、萬無和尚坐像などが安置されている
1681年(皇紀2341)延宝9年5月の建立
1688年(皇紀2348)元禄元年
再建され、仏殿と拝殿が別設される
本尊前の須弥壇上には、二十五菩薩を象徴する二十五の生花(せいか)が毎朝、献花されている
<椿の庭>
本堂北側の中庭に、三銘椿(五色散椿・貴椿・花笠椿)が植えられている
3月下旬から4月中旬が見頃となる名所
散椿(ちりつばき)は、ツバキ科のチリツバキ
本堂裏の中庭のわずかな空間に生育するため、樹冠のほとんどは屋上に伸びている
椿寺地蔵院の散椿と同じく、紅・桃・白・紅白・まだらと咲き分ける
ほぼ同年代に植えられたものといわれる
「散りつばき はくや はりえを はぐ如く……如是」の句がある
<方丈>
1687年(皇紀2347)貞享4年
伏見の後西天皇の皇女の桃山御殿を移建したもの
1595年(皇紀2255)文禄4年に建立された建物
狩野光信や堂本印象の襖絵が飾られている
<山門>
茅葺の数奇屋造
<白砂壇(びゃくさだん)>
山門を入り両側にある白い盛り砂
水の紋様の砂壇の間を通り、心身を清めて浄域に入る
<方丈庭園>
中央に阿弥陀三尊を象徴する三尊石が配置された浄土庭園
洛中名水の一つ「善気水」がある
<講堂>
1694年(皇紀2354)元禄7年
大浴室として建立される
1977年(皇紀2637)昭和52年
内部が改装され、講堂として、講演会や個展、コンサートなどに利用されている
<経蔵>
1737年(皇紀2397)元文2年の建立
中央に釈迦如来像、両脇に毘沙門天像と韋駄天像が安置されている
多数の経典の版木が所蔵される
<お墓>
谷崎潤一郎・河上肇・九鬼周造などの著名な学者や文人のお墓が数多く建つ
<河上肇の歌碑>
「たどりつき ふりかえれりみれば やまかわを こえてはこえてきつるものかな」
<椋の樹(むくのき)>
ニレ科のムクノキ
経蔵の西側の斜面上位にある
<楓(かえで)>
カエデ科のタカオカエデ
経蔵の西側の斜面にある
<方丈の襖絵十四面(重要文化財)>
「桐に竹図」「若松図」「槇に海棠図(かいどうず)」
狩野光信の作
<方丈の屏風(重要文化財)>
「雪松図」
<堂本印象筆の襖絵>
方丈に飾られている
<地蔵菩薩像>
本堂正面の石段上に安置されている
1690年(皇紀2350)元禄3年
忍澂和尚が46歳の時、自身と等身大の地蔵菩薩像を鋳造させたもの