宝泉院は、天台宗の仏教が栄えた大原の中心的道場だった勝林院の僧坊
実光院とともに声明の道場として創建される
みごとな五葉の松と竹林、梅、紅葉の名所で、秋のライトアップも行われている
<書院>
1502年(皇紀2162)文亀2年の再建
<書院の血天井>
関ヶ原の戦いの前哨戦となった伏見城の攻防戦において、
守護を任せられていた伏見城が豊臣軍の大軍に包囲されても、最後まで自刃せずに戦い討死した徳川軍の鳥居元忠ら約800人を
供養するために、討死した血痕が残る大広間の床板を天井にして祀られている
同じ血天井が、養源院・正伝寺・源光庵・興聖寺にも残る
<額縁庭園「盤桓園(ばんかんえん)」>
客殿の西方にあり、座敷から、柱と柱を額縁にして眺める庭園
楓樹に彩られて極彩色の絵画を思わせる名庭
近江富士の形をした樹齢700年の銘木 五葉の松や、楓、竹林が配され、竹林の間から大原の山が借景になるように計算されている
「盤桓園」とは、「立ち去りがたい」との意味を持つ
<鶴亀庭園>
江戸時代中期の作
部屋の中から格子ごしに眺める庭園
池の形が鶴、築山が亀、山茶花の古木を蓬莱山とみる
樹齢300年の沙羅双樹がたたずんでいる
<茶室 竹風庵>
書院の北側にある茶室
逆勝手で鴻池別邸の茶室を移築したものといわれる
<五葉の松(京都市指定天然記念物)>
近江富士を型どる樹齢700年の五葉松
京都市内にある3つの著名な松の一つ
<石盤>
「サヌカイト」といわれる美しい音が出る石
明治時代
声明の大家であった住職 深達僧正が音律を調べるために愛用したもの
<天台声明>
声明は、仏教の儀式音楽で、仏、菩薩、神々を賛美する歌曲として僧侶によって詠われる
声明を唱えることは修業として重視され、声明成仏の方便として大原で盛んに行われるようになった