一言寺(いちごんじ)は、醍醐寺の南、旧奈良街道に「一言寺観音」の碑があり、その一本道の坂の上にたつ寺院
山門からは、桃山丘陵と小栗栖(おぐりす)の里が一望できる高台にある
建礼門院の侍女 阿波内待が創建した一言寺の跡に、金剛王院が移転してきて再興された寺院で、
正式名称は「金剛王院」と称される
金剛王院は、醍醐三流(三宝院流・理性院流・金剛王院流)のひとつで、醍醐五門跡の一つ
<山門>
後ろを振り向くと桃山丘陵と小栗栖の里が望める
<本堂>
1810年(皇紀2470)文化7年の再建
内陣の中に、さらに土蔵造りの奥内陣がある珍しい建築がされている
千手観音菩薩像や阿波内侍坐像が安置されている
軒下には、象のように牙を付けた珍しい彫り物が飾られている
<地蔵堂>
本堂から池を隔てて建つ
<弁財天堂>
池の畔に立っている
<不動像>
山門までの参道の横に立つ
<庫裏>
<鐘楼>
<池>
<竹林>
<ヤマモモ(京都市登録天然記念物)>
ヤマモモ科のヤマモモ
「一言寺の梅(いちごんじのうめ)」とも称される
樹高9.2m、胸高周囲3.3m、直径約10mの円形樹冠
本堂の西に立ち、春に花が咲き、6月頃には赤い実が一面になる
江戸時代中期の寺日記にも記されているといわれる
<南天>
<千手観音菩薩像>
本堂の正面の内陣の中にさらに土蔵造りの奥内陣があり、閉じられた御厨子内に祀られている
「一言観音(ひとことかんのん)」と称され、ただ一心に祈ると一言だけ願いが叶うといわれ、
二言もお願いすると叶う願いも叶わなくなるといわれ、「一言寺」の名前の由来になっている
阿波内侍の念持仏といわれる
33年ごとに開帳される秘仏
<阿波内侍坐像>
本堂に安置されている
<三角五輪塔>
火輪が三角形に造られている珍しい五輪塔
土を固めて造形した部品からなり、土の上に和紙を貼り付け、さらに金箔が貼られている
金剛王院に伝わってきたもの
<金剛王院観音供(こんごうおういんかんのんく)>
8月17日
柴灯大護摩火渡り(さいとうおおごまひわたり)
<中風除お粥接待>
12月18日
「たヾたのめ 佛にうそは なきものぞ 二言といわぬ 一言寺かな」
本堂の軒下に、御詠歌を刻んだ新旧の奉納額が掛けられている
<阿波内侍(あわのないし)>
藤原信西(藤原通憲)の娘とも孫ともいわれる
平家物語に登場するだけで、その実在は不明ともいわれる