神光院(じんこういん)は、西賀茂にある弘法大師の霊場で京都三弘法の一つの寺院
弘法大師 空海が、42才の夏に、この神光院で90日間修行し、この地を離れるときには、庶民との離別を悲しみ、
境内の池に自分の姿を写して自像を刻み、諸病災厄除を祈願したといわれる
御所に奉納する瓦職人の宿所に使用されていたといわれ「瓦屋寺」とも称される
冬には、白い八重の山茶花が咲く
<本堂>
弘法大師 空海が刻んだ自像が、本尊として安置されている
扁額「弘法大師、歓喜天、愛染明王」が掛かっている
<中興堂>
<不動明王堂>
不動明王が祀られている
<弁財天社>
参道の途中の庭池にある
<茶室 蓮月庵>
山門を入った左側にある旧栖茶所
平屋建、4間3間、5畳の居間、3畳の台所、土間には窯がある
江戸時代末期の女流歌人・陶芸家 大田垣蓮月が、
1866年(皇紀2526)慶応2年76才の秋から、1875年(皇紀2535)明治8年に死去するまでの10年間を過ごした草庵
多くの歌が残されている
<きゅうり塚>
<大田垣蓮月の歌碑>
「やどかさぬ 人のつらさを なさけにて おぼろ月夜の 花の下ふし」
<石碑「大峰山大先達 吉田貞太郎 富田治三郎」>
西門のそばにある
<花の名所>
4月中旬 八重桜
5月中旬〜6月中旬 花菖蒲(はなしょうぶ)
8月上旬 百日紅
12月上旬〜1月下旬 白い八重の山茶花(さざんか)
<白描絵料紙金光明経(国宝)>
京都国立博物館で保蔵されている
<金剛般若経開題残巻(国宝)>
空海の筆
京都国立博物館で保蔵されている
<碣石調幽蘭(国宝)>
東京国立博物館に保蔵されている
<絹本著色 仏眼曼荼羅(ぶつげんまんだらず)1幅(重要文化財)>
平安時代の作
京都国立博物館で保蔵されている
<紙本墨書 悉曇略記(重要文化財)>
平安時代の作
京都国立博物館で保蔵されている
<細字金光明最勝王経 二巻(重要文化財)>
平安時代の作
京都国立博物館で保蔵されている
<弘法大師像>
弘法大師 空海が、42歳のときに自ら刻んだ木像
「厄除大師」として信仰を集めている
<蓮月尼肖像画>
富岡鉄斎の筆
<薬師如来立像>
<愛染明王坐像>
<不動明王>
<十一面観音菩薩立像>
<きゅうり封じ>
7月21日と土用の丑の日
弘法大師が、きゅうりに病魔を封じ込め、五智不動尊に病魔平癒を祈願したという故事にちなみ、
きゅうりによる疫病除け祈祷が行われる
病名を記入した紙にきゅうりを包み、家に持ち帰り、身体の悪いところをなでて庭などに埋めると、
病気を封じ込めるといわれている
<瓦屋寺>
この辺りに、御所に奉納する瓦職人の宿所に使用された瓦屋寺があったといわれる
朝廷の木工寮(もくりょう)に属した西賀茂瓦屋があり、官衛(かんが)の瓦を焼いていた
大将軍神社の近くに、瓦屋の窯跡がある
遺瓦は、神光院に所蔵されており、中興堂などには、オリジナルの瓦が見られる
<眼病平癒の御符>
空海が中国より伝えられたといわれる眼病平癒の祈祷が行われ、御符をいただける
平安時代初期、空海が42歳のときの夏に、神光院で90日間修行したといわれる
境内の池に自らの姿を写して自像を刻んだといわれる
この地を離れるときには、離別を悲しんで、自らの教えを信じる者には全ての厄を取り除くと告げたといわれる
<京の三弘法巡り>
弘法大師 空海ゆかりの東寺・仁和寺・神光院を京都三弘法といわれる
毎月21日の弘法さんの縁日に3社を巡礼する京の三弘法巡りが行われている
江戸時代中期に始まる
1868年(皇紀2528)明治元年の神仏分離のときに廃絶し、2012年(皇紀2672)平成24年に復活した
四国八十八ヵ所霊場巡礼ときにも、道中無事祈願、お礼参りのために3寺院を巡る
東寺で菅笠、仁和寺で金剛杖、神光寺で納札箱を、それぞれ得て四国へ旅立つ