浄土院(じょうどいん)は、平等院鳳凰堂の背後南寄りに建つ
浄土院と最勝院(天台宗)の住職が、毎年交代で平等院の管理を行っている
<本堂>
入口からすぐ正面
阿弥陀如来が安置されている
<羅漢堂(宇治市指定文化財)>
1640年(皇紀2300)寛永17年
宇治茶師の一人 星野浄安道斎とその息子たちにより建立される
堂内には、十六漢像が安置され、禅宗様が主体となっている
鏡天井には、龍が描かれている
<大書院>
平等院山内で最も古い書院
蘭香斎玉寳の獅子図4面
後醍醐天皇が三種の神器を納め平等院に滞在したといわれる御座所などが残る
<養林庵書院(重要文化財)>
入口から左に建つ
桧皮葺
1601年(皇紀2261)慶長6年
加傅和尚が、伏見城から移築したといわれる貴重な遺構
広縁中央には、寛永の三筆の一人 松花堂昭乗による「養林庵」の扁額がかかる
二の間と三の間の境の欄間、広縁の欄間はともに桃山時代の透彫
狩野山雪の襖絵「籬に梅図(まがきにうめず)」、天袋の「花卉図(かきず)」
狩野山楽の床の間の「雪景楼閣山水図」、
「梅に鶯」など狩野派画家によるものといわれる
「籬に梅図」は、竹垣の上に梅の木が枝を張るという大胆な構図の襖絵
<養林庵庭園(京都府指定文化財)>
平庭枯山水
熊本藩54万石の戦国大名 細川忠興の作庭
十字架の形をしている織部灯篭が置かれている
妻 細川ガラシャは、熱心なキリスト教徒だったといわれている
<平等院修造勧進状1巻(京都府指定文化財)>
<平等院旧起2巻(京都府指定文化財)>
<木造 帝釈天立像(宇治市指定文化財)>
平安時代後期の作
浅く柔らかい衣紋(えもん)
仏師 康尚(定朝の父親)の特徴ある作
<木造 阿弥陀如来立像>
檜材の寄木造
鎌倉時代後期〜南北朝時代の作
<和漢朗詠集巻下断簡(平等院切)>
平安時代末期の作
巻下雑部のうちの禁中・古京の全文十五行文
源頼政の作といわれる
<平等院>
浄土院(浄土宗)は、最勝院(天台宗)と、毎年交代で平等院(単立寺院)の管理を行っている
もと平等院は、天台宗寺門派に所属していたが、
室町時代
戦乱の中で、天台宗寺門派の勢力が弱まり、
新興勢力であった浄土宗が、平等院の中に浄土院等、子院を建て始める
江戸時代
天台宗の勢力が盛り返し、寺社奉行の裁定により平等院は単立寺院とされ、
天台宗の最勝院と、浄土宗の浄土院との共同管理下に入ることになる