妙法院(みょうほういん)は、東山七条付近にある寺院
天台宗三門跡の一つ
伽藍は、西側を正面とし、東大路通に面して唐門と通用門が建っている
<庫裏(国宝)>
庫裏は寺院の台所兼事務所の役割を果たす建物で、豊臣秀吉が行った千僧供養に集まった千人もの僧の食事を準備した台所
入母屋造で、大棟上のほか、左側屋根上にも小棟を出して煙出しが設けられている
内部は土間、板間、座敷の3部分に分かれ、
土間と板間部分は天井板を張らず貫や梁などの構造材をそのまま見せた豪快な造りになっている
近世の庫裏は、居住機能も持つが、妙法院の庫裏は、調采喫飯(ちょうさいきっぱん)の場として限定されている
桃山時代の豪華な建物の遺構
<大書院(重要文化財)><大玄関(重要文化財)>
1619年(皇紀2279)元和5年
東福門院入内のときに建築された女院御所の旧殿を移築したものといわれる
狩野派の筆による大画面の豪華絢爛な「唐美人図」「四季花鳥図」などの金障壁画がある
桃山時代の豪華な建物の遺構
<ポルトガル国印度副王信書(こくいんどふくおうしんしょ)(国宝)>
1588年(皇紀2248)天正16年
ポルトガル領だったインド半島西岸のゴアの副王から豊臣秀吉に宛てのキリスト教弾圧政策の緩和を求めた羊皮紙の書簡
豊臣秀吉を祀る豊国廟が取り壊されたときに、妙法院に移管された品の一つ
<絹本著色 後白河法皇像(重要文化財)>
<妙法院障壁画58面(附14面、1基)(重要文化財)>
玄関、大書院一之間・二之間の大画面の豪華絢爛な「唐美人図」「四季花鳥図」などの金障壁画
近世初期の狩野派の作といわれる
大書院裏之間の障壁画14面と玄関所在の衝立1基は附(つけたり)指定となっている
<木造不動明王立像(重要文化財)>
護摩堂の本尊
平安時代前期の作
<木造 普賢菩薩騎象像(重要文化財)>
本堂(普賢堂)の本尊
平安時代末期の作
<紙本墨画淡彩 山水図(京都市指定有形文化財)>
白書院の襖6面・違棚壁貼付4面の合計10面
寛政年間(1789年〜1801年)後期
呉春の四条派時代の作