廬山寺(ろざんじ)は、京都御苑の東の寺町通、梨木神社の向かいにある寺院
紫式部の邸宅跡で「源氏物語」の執筆地として伝えられ、源氏の庭には「紫式部邸宅跡」の石碑が立つ
皇室直属の御黒戸四ヶ院の中で唯一現存する摂家門跡寺院
2月節分の節分会では、鬼おどりなど「鬼の法楽」が行われる
現在の宇堂は、1788年(皇紀2448)天明8年の「天明の大火」による焼失以降のもの
<本堂>
光格天皇の勅命で仙洞御所から移築されたものといわれる
本尊の阿弥陀三尊(阿弥陀如来・右脇侍勢至菩薩・左脇侍観音菩薩)が祀られている
<元三大師堂>
参道正面に建つ
本尊の元三大師(慈恵大師 良源)が祀られている
毘沙門天(京都七福神の一つ)・薬師如来像・不動明王像なども安置されている
<御黒戸>
通称「尊牌殿」と称される
光格天皇の勅命で仙洞御所から移築されたものといわれる
<源氏の庭>
本堂の庭園
一面の白砂と苔の色の鮮やかなコントラストが美しい枯山水庭園
6月上旬〜9月上旬には、桔梗(ききょう)の一群が咲く名所
「紫式部邸宅址」の石碑が立っている
<筆塚>
<紫式部の歌碑>
「めぐり逢ひて 見しやそれとも わかぬ間に 雲がくれにし 夜半の月かな」
<大弐三位の歌碑>
「有馬山 猪名の笹原 風吹けば いでそよ人を 忘れやはする」
<御土居>
豊臣秀吉による御土居の一部が、境内に現存する
京都市内に、国の史跡に指定されている9ヶ所のうち、最も東にある
<御陵>
慶光天皇(光格天皇の父親)の御陵
宝蓮華院宮(明治天皇の妹)の御陵
仏師 定朝のお墓
<阿弥陀三尊>
本尊に祀られている阿弥陀如来・右脇侍勢至菩薩・左脇侍観音菩薩
恵心僧都 源信の作といわれる
<木造 如意輪観音半跏像(重要文化財)>
創建当時のものは、聖徳太子が開基した全国四ヶ所の天王寺の一つの金山天王寺の本尊であったもの
当初のものは、数度の火災により焼失する
現在のものは、鎌倉時代の作
1207年(皇紀1867)建永2年
烏丸一条北に再建されたときに、本尊として、当初のものを模倣造立された
飛鳥仏の容貌を残す貴重なもの
京都国立博物館に委託されている
<慈恵大師筆遺告状(じえだいしひつゆいごうじょう)(国宝)>
東京国立博物館に寄託されている
<正親町天皇宸翰女房奉書(重要文化財)>
正親町天皇の意向を、女房(女官)が仮名書きして発行した書状
<絹本著色 普賢十羅刹女像(重要文化財)>
<後伏見天皇宸翰願文(重要文化財)>
<慈恵大師廿六箇条起請(重要文化財)>
<法然上人選択集(重要文化財)>
<源氏貝合せ>
<追儺式鬼法楽>
2月節分の節分会で「鬼おどり」が行われる
慈恵大師 良源が、護摩供の修行中に邪魔してきた鬼を、豆を撒いて退散させたという故事に由来する
松明(たいまつ)や剣を持ってお堂の中で暴れ回り護摩供を邪魔する赤鬼や青鬼・黒鬼に紅白の餅と豆を投げ、
追儺師が邪気払いの法弓で四方に矢を放ち、鬼たちを退散させる
鬼たちは、「どん欲」「怒り」「愚痴」の三つの煩悩を表したものといわれる