西方寺(さいほうじ)は、五山の送り火の一つ「船形」の点される西賀茂舟山(妙見山)の南東にある寺院
五山の送り火では、西賀茂船山の「船形」の点火の合図となる鐘を鳴らしたり、山麓で読経が行われる
その後、境内のかがり火を囲んで六斎念仏が行われる
東には比叡山、南東には大文字山(如意ヶ岳)を見晴らすことができる
<本堂>
<大田垣蓮月尼の碑>
幕末の歌人 大田垣蓮月は、西方寺に近い神光院に隠棲し、歌や書・茶道・陶芸を行っていた
<本尊美君碑>
皇室制度や神道史の研究家イギリス人リチャード・ポンソンビー・フェーン教授の碑
<小谷墓地>
境内の西にある墓地
幕末の歌人 大田垣蓮月のお墓が、南側地域の、墓地の入口に近い木の根元にある
江戸時代の歌人・国学者・上賀茂神社の祠官 賀茂季鷹(かものすえたか)
賀茂県主累代のお墓
多数の賀茂氏一族のお墓
「鉄道唱歌」作曲者 多梅雄(おおのうめお)のお墓
料理人 陶芸家の北大路魯山人が、北側地域の最も北西奥のなだらかな坂を上った高台の北端近くにある
北大路家のお墓も墓地内に点在している
<五山の送り火 船形万燈籠送り火(ふながたまんとうろうおくりび)>
8月16日
西賀茂船山の船形
舳先は、西方浄土を表す精霊船で、弘誓(ぐせい)の船、菩薩が衆生を済度し、涅槃の彼岸に人を乗せて渡すことを意味している
西方寺に、当日朝早くから、山の麓の奉仕者らが集り、祈願された護摩木や割木などが山上へ運ばれ点火準備が行われる
午後8時15分、西方寺の鐘を合図に点火される
山麓では、西方寺住職の読経が行われる
<六斎念仏>
8月16日五山の送り火の終了後
西方寺境内のかがり火を囲んで六斎念仏が行われる
鉦や太鼓を鳴らし念仏を唱えながら踊る、極めて古風なもので、六斎念仏の古態を伝えている
六斎念仏は、二系統に分れて伝承されており、その念仏踊を中心とする従来の「干菜寺系(ほしなでらけい)(光福寺)」で唯一のもの
道空上人は、彼岸やお盆に、鉦と太鼓を鳴らして、節を付けて唱える六斎念仏の創始者ともいわれている