槇尾山 西明寺(さいみょうじ)は、高雄の高雄山 神護寺と栂尾山 高山寺の間にある寺院
この3つの寺院で「三尾」と称される
3つの寺院とも紅葉の名所になっている
西明寺の門前には、清滝川が流れ、春の桜、初夏の新緑、秋の紅葉、冬の雪景色と、四季を通じて豊かな自然を持つ
4月初旬は、全山に数万本の躑躅(ツツジ)が覆う名所
<表門(おもてもん)(京都市指定有形文化財)>
一間薬医門で、築地塀が付いている
1700年(皇紀2360)元禄13年の建立
<本堂(ほんどう)(京都市指定有形文化財)>
石段を上がって表門をくぐった正面
桁行7間、梁行4間、内部は梁行に3分されている
中央間が内陣で、後方に四天柱を建てて逆蓮擬宝珠付きの唐様須弥壇に厨子が安置されている
両横の脇陣が外陣となり、真言宗寺院の本堂としては珍しい平面である
正面入口の梁上に「霊山鷲心」の扁額が掲げられている
1700年(皇紀2360)元禄13年
桂昌院(徳川5代将軍 徳川綱吉の母親)の寄進により再建されたもの
<聖天堂>
表門をくぐって左手に立つ
<客殿(きゃくでん)>
本堂の左方に建つ
本堂左後方と短い渡り廊下で結ばれている
江戸時代前期に移築されたもの
かつては食堂で、僧侶の生活や戒律の道場であった
前列二室、後列三室からなり、
前列南室には、慶長年間(1596年〜1615年)・元和年間(1615年〜1624年)に3度にわたって制定された
九ヶ条からなる「平等心王院僧制」木札が掲げられている
<鐘楼>
<石燈籠>
<ご神木>
本堂前に立ている
<指月橋>
清滝川にかかる朱塗りの橋
西明寺の入り口となる
紅葉の名所
<「栂尾山聖天堂」の石標>
指月橋の手前に立つ
<裏門>
境内の奥にある
神護寺への近道となる
<木造 釈迦如来立像(重要文化財)>
本堂の唐様須弥壇上厨子に安置されている本尊
運慶によって彫られた清凉寺式(せいりょうじしき)の釈迦如来像
生前の釈迦如来の面影を伝えているといわれる
鎌倉時代の作
<木造 十一面千手観世音菩薩立像(重要文化財)>
本堂の釈迦如来立像の脇待
細面で、頭上に十面を乗せ、宝冠をかぶり、合掌する真手を含め四十二手ある
慈悲の力を持って衆生の苦しみを救うと信仰されている
平安時代の作
<愛染明王像>
本堂の脇陣に安置されている
五鈷を付けた獅子冠を頭上に乗せ、六臀の各手に法具や弓箭などを持ち坐っている
我宝自性上人の念持本尊
鎌倉時代後期の慶派の作
愛の力を授かるとして信仰されている