三寳寺(さんぽうじ)(SanpouJi)

所在地:京都市右京区鳴滝松本町   卍地図情報卍

日蓮宗の中本山の寺院

山号:金映山
院号:妙護国院
別記:三宝寺

本尊:釈迦如来

開基:右大臣 菊亭経季(今出川家)、中納言 今城為尚(冷泉家)

開山:中正院 日護上人

洛陽十二支妙見めぐり・西北西)

通称:鳴滝の妙見さん(なるたきのみょうけんさん)

 三寳寺(さんぽうじ)は、鳴滝の周山街道から外れて、北西への坂道を登りつめた白砂山(しらすな)中腹にある寺院

 後水尾天皇が帰依していた日護上人のために、右大臣 菊亭経季らが建立した

 今出川家、冷泉家の菩提寺となる

 十二支京都妙見めぐりの一つで「鳴滝の妙見さん」と称される

三寳寺の写真集

【三宝寺の歴史・経緯】


【三宝寺の伽藍】

 <山門>
 冠木門(かぶきもん)
 山門前には、さざれ石が置かれている

 <本堂>
 開山 日護上人の作の釈迦如来が祀られている
 日蓮聖人、日朗上人、日像上人の三菩薩、三宝尊、多宝如来、鬼子母神、大黒天が祀られている
 1929年(皇紀2589)昭和4年
 昭和天皇御即位式の建造物を一棟下賜せられ、移築された建物
 1981年(皇紀2641)昭和56年
 宗祖日蓮大聖人七百遠忌のとき、増改築等の大修理が行われた

 <庫裏>

 <浄行堂>
 煩悩、けがれ、罪障を洗い流す浄行菩薩が安置されている
 水大の徳を持ち、水子供養の「水かけ地蔵さん」ともいわれている

 <千躰佛釈迦堂>
 中央に六尺釈迦如来坐像が安置され、周囲に三寸立像の釈迦仏1000体が祀られている
 仏像は全て日護上人の作といわれる
 「世継ぎのお釈迦仏」とも称され、子宝を授かるご利益があるといわれる
 1984年(皇紀2644)昭和59年に現在の建物が再建された

 <忍辱の鐘>
 本山 本法寺の開山の日親上人作といわれる梵鐘
 3世 日逞上人の代に譲られたものといわれる

 <三十番神堂>
 毎日、日替わりで守護する三十神が祀られている
 妙法経(法華経)守護
 三十神は日護作という
 夢告により加茂大明神も二体、祀られている

 <大黒堂>
 福徳神の三面三宝大黒福寿尊天が祀られている
 最澄の作といわれる
 日蓮聖人比叡山遊学のときに、開眼入魂した三面六臂の秘仏で60年に一度の甲子の年に開帳されている
 1995年(皇紀2655)平成7年に現在の建物が再建される
 1月第3日曜日に大黒天初講会が行われている

 <最上稲荷殿>
 大黒福寿尊天の眷属とされる
 商売繁盛、五穀豊穣、屋敷神、法華経の守護神
 子宝犬、十二支の方位盤が台座となっている
 1994年(皇紀2654)平成6年奉納

 <縁結びの塔>
 妙見宮の参道階段の脇にある  豊臣秀頼・国松丸・淀君の3人の供養塔
 豊臣秀吉の側室 淀殿の姪の古奈姫(開基 菊亭経季の妻)が建立したものといわれる
 この塔を撫でさすれば、良縁を得て、早く縁づくことができるといわれる

 <子宝犬>
 1994年(皇紀2654)平成6年
 甲戌歳を迎えるにあたり満願妙見宮に奉納されたの像
 台座正面の「破邪顕正」は、邪気を破り正義を顕す妙見大菩薩の誓願
 洛陽十二支妙見にちなみ、十二支の方位盤を台座にしている
 干支の前に立てば、その干支の方角に向かうように方位盤が置かれている

 <満願妙見宮>
 境内の東にある小高い山の中腹にある
 北辰満願妙見大菩薩が祀られている
 運気、寿福、方位を司る神さん
 日護上人の作といわれる
 洛陽十二支妙見の「戌の妙見さん」や「鳴滝の妙見さん」と称される
 厄除け、招福、戌年生まれの人の祈願所、安産のご利益がある
 天保年間(1830年〜1844年)に社殿などが整えられた
 1972年(皇紀2632)昭和47年に、現在のお堂が再建された
 1986年(皇紀2646)昭和61年に洛陽十二支妙見めぐりが200年ぶりに再興された

 <茶室「松宝庵」>
 茶道宗偏流流祖 山田宗偏が、当山で茶道の奥義を究めたことを顕彰して建てられた茶室
 中門・露地・飛び石・腰掛・蹲踞(つくばい)などがそろっている典型的な茶室
 伏見桃山城や京都市内が一望できる
 大黒尊天初講会(1月17日)には、宗偏流の献茶、茶室「松宝庵」ではお茶席の接待が行われる

 <山田宗偏四方庵居之地の碑>
 境内東の谷、杉林の中にある
 茶道宗偏流の流祖 山田宗偏が住んでいた、塔頭 凉池院の茶室「四方庵」があったところ
 山田宗偏は、京都に生まれ、僧になるが還俗して茶道を志し、宗旦四天王の一人とされる
 この地にて、茶道に専念しついにその奥義を究めたといわれる
 千宗旦から千利休伝来の「四方釜」を譲られ、大徳寺 翠厳和尚から「四方庵」の茶号を贈られた
 忠臣蔵赤穂義士の大高源吾に吉良邸の茶会の日を教え主君の仇討ちを助けたといわれる
 10世 山田宗偏家元によって記念碑が建てられている

 <境内墓地>
 仁孝天皇第5皇子 常寂光院宮のお墓が高台にある

 新選組隊士 水口市松供養塔がある

 <蘇生廟(そせいびょう)>
 身寄りのないかた等のお墓

 <花梨(かりん)の木>
 満願妙見宮への参道両脇にあり、東宮御所より譲られ根分けしたもの

 <御車返しの桜>
 本堂脇にある
 宝暦年間(1751年〜1764年)に京都御所の菊亭家邸内より根分け移植されたもの
 その美しさに、天皇が牛車を引き返させたということから名付けられた

 <枝垂れ桜>
 茶室「松宝庵」の脇にある
 円山公園の枝垂れ桜と同種同根といわれる

 <楊梅(やまもも)の巨木>
 樹齢700年といわれる

 <楓の巨木>
 冠木門近くに生育している


【寺宝】

 <日護上人の作品>
 開山の日護上人は仏師でもあり、生涯に一万の仏を刻んだという
 「蝸牛法師」とも称される
 本堂の釈迦如来、多宝如来、日蓮聖人、子育鬼子母神
 妙見堂の本尊 北辰妙見大菩薩
 千躰佛釈迦堂の中央に祀られている六尺釈迦坐像、周囲の1000体の三寸釈迦立像
 三十番神堂の三十神、加茂大明神

 <三面三宝大黒福寿尊天>
 大黒堂に祀られている福徳神
 平安時代の伝教大師(最澄)の作といわれる
 鎌倉時代日蓮聖人が比叡山遊学のときに、開眼入魂した三面六臂の秘仏とされる
 60年に一度の甲子の年に開帳されている
 大黒尊天初講会(1月17日)では、本堂で出開帳される

 <三寳寺御書(宗祖遺文録外御書)>
 中山日護の編集といわれる
 日護が常に持参したものであるといわれる


【三宝寺の寺宝】

 <日護上人の作品>
 開山の日護上人は仏師でもあり、生涯に一万の仏を刻んだという
 「蝸牛法師」とも称される
 本堂の釈迦如来、多宝如来、日蓮聖人、子育鬼子母神
 妙見堂の本尊 北辰妙見大菩薩
 千躰佛釈迦堂の中央に祀られている六尺釈迦坐像、周囲の1000体の三寸釈迦立像
 三十番神堂の三十神、加茂大明神

 <三面三宝大黒福寿尊天>
 大黒堂に祀られている福徳神
 平安時代の伝教大師(最澄)の作といわれる
 鎌倉時代日蓮聖人が比叡山遊学のときに、開眼入魂した三面六臂の秘仏とされる
 60年に一度の甲子の年に開帳されている
 大黒尊天初講会(1月17日)では、本堂で出開帳される

 <三宝寺御書(宗祖遺文録外御書)>
 中山日護の編集といわれる
 日護が常に持参したものであるといわれる


【三宝寺の祭事】

 <甲子祭>
 60日毎の大黒尊天御縁日・甲子の日

 <新年祝祷会>
 正月元旦

 <大黒尊天初講会>
 1月中旬
 三面大黒福寿尊天を本堂で出開帳され、茶道宗偏流の献茶が行われる

 <節分方除け祭>
 2月節分
 満願妙見大菩薩御宝前で星祭秘法、方除け祈祷が行われる

 <水行祈祷会>
 2月
 行僧による「水行式」で、経文を唱えながら水をかぶる水行が行われる

 <春季彼岸法要>
 3月下旬

 <妙見宮春季祈祷会>
 4月12日

 <千団子鬼子母神祭>
 5月10日

 <ほうろく灸祈祷会>
 7月下旬土用の丑の日
 暑気封じ・頭痛封じ・中風封じ祈祷が行われる
 呪文を書いた「ほうろく」を頭の上にのせ、もぐさに火をつけて祈祷し、木剣で九字を切り悪鬼邪霊を払う
 商売繁盛の「あじさい祈祷」、諸病封じの「きゅうり封じ祈祷」も行われる

 <盂蘭盆法要>
 8月18日

 <秋季彼岸法要>
 9月23日

 <妙見宮秋季祈祷会>
 11月3日

 <厄落としの大根焚き(御会式)
 (2021年(皇紀2681)令和3年より中止)
 12月第1日曜日
 御会式(おえしき)は、日蓮報恩法要で、日蓮聖人、日朗上人、日像上人の御真骨が開帳され、
 一年の罪汚れを落とす「厄落としの祈祷」、中風封じの「大根焚き」が行われる
 柚子(ゆず)の皮を混ぜた香り豊かな「ゆず御飯」も一緒に振舞われる
 ゆず御飯は、日蓮聖人が冷えたお身体を温める良薬として柚子(ゆず)を珍重されたことによるといわれる


【三宝寺へのアクセス】

 JRバス 三宝寺 徒歩約5分
 市バス 福王子 徒歩約20分
 嵐電 宇多野駅 徒歩約20分

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