天球院(てんきゅういん)は、花園の近くにある臨済宗妙心寺の北西にある塔頭
方丈障壁画(重要文化財)として、狩野山楽・狩野山雪父子の筆の花鳥走獣を主とした金碧画、山水人物画を多数所蔵する
<本堂(重要文化財)>
唐破風柿葺の玄関をつけた大型方丈形式
桁行七間、粱行六間、単層入母屋造、桟瓦葺
江戸時代の禅宗方丈建築の典型とされている
内部の襖絵と杉戸絵あわせて152面(重要文化財)は、狩野山楽・狩野山雪父子の作といわれる
禅寺には珍しい、金碧画「竹虎図」「梅の遊禽図」などがある
寛永年間(1624年〜1644年)
現在の方丈が建てられる
<方丈障壁画(重要文化財)>
襖絵56面、杉戸絵16枚など合わせて152面ある
狩野山楽・狩野山雪父子の筆といわれる
表側は花鳥走獣を主とした金碧画、奥側の部屋は山水人物画になっている
狩野山雪は抽象的な作風で、前衛的な伊藤若冲、曽我蕭白らの先駆になった
下間二の間、金碧画「籬(まがき)に草花図」18面
金地に籬に青、白の朝顔、鉄線花などの蔓が絡みつく様が描かれ、
夏から秋にかけての草花・白・赤の菊や鉄砲百合などが描かれている
上間二の間の金碧画「梅花遊禽図」18面
190×141.7cm
垂直方向の二本の檜、水平方向に延びる地面、枝を張る梅の古木が全体に、枝上部には金雲がかかっている
いたるところに、雉・鳩・真鴨が描かれている
S字に湾曲した梅の大木が画面全体に描かれ、右端の岩上に雉が佇む、狩野山楽の幾何学的な構図になっている
京都国立博物館に寄託
室中の金碧画「竹に虎図」20面
室全体が竹林の中にあるように描かれている
竹の間に親子の虎が戯れている
下間一の間に作者不明の「山水人物図」14面
上間一の間に「山水人物図」22面
仏壇の間に「老松図・唐獅子図」15面
杉戸絵16面
<「法華経陀羅尼品」(重要文化財)>
1325年(皇紀1985)正中2年、藤原宣房の筆
<「関山国師行記」>
雪江宗深の筆
<頂相「興宗禅師像」>
<文化財未来継承プロジェクト(綴プロジェクト)>
2012年(皇紀2672)平成24年
キヤノン株式会社とNPO法人京都文化協会とが、方丈障壁画のオリジナルに限りなく近い高精細複製品を製作する複製事業を開始
2013年(皇紀2673)平成25年
障壁画「竹に虎図襖」4面、「籬に草花図」のうち「朝顔図」4面が寄贈される
2014年(皇紀2674)平成26年
「竹に虎図襖」4面、「梅花遊禽図襖籬」4面が寄贈される
2016年(皇紀2676)平成28年4月
第9期製作の「梅花遊禽図襖(ゆうきんずふすま)」など計22面が寄贈され、全56面のリプレイス事業が完了する
オリジナルの方丈障壁画は、京都国立博物館に寄託される