徳林庵(とくりんあん)(TokurinAn) 京都通メンバ
所在地:京都市山科区四ノ宮泉水町   卍地図情報卍

臨済宗南禅寺派の寺院

山号:柳谷山

本尊:地蔵菩薩

創建:1550年(皇紀2210)天文19年

開基:雲英正怡禅師(うんえいしょういぜんじ)(南禅寺第260世)

六地蔵めぐりの一つ(山科地蔵、東海道

通称:山科地蔵、山科廻地蔵(やましなめぐりじぞう)、四ノ宮地蔵

京都を彩る建物や庭園認定

 徳林庵(とくりんあん)は、山科の四宮駅の西、東海道沿いにある寺院

 小野篁により作られた六地蔵のうちの1体 山科地蔵が祀られている六地蔵めぐりの一つ

 琵琶琴の名手 人康親王のゆかりの地で「琵琶法師の聖地」とも称されている

【徳林庵の歴史・経緯】






【徳林庵の伽藍】

 東海道に面する地蔵堂(六角堂)・拝所・茶所・井戸手水などが一体として保存が図られるべきものとして
文化財環境保全地区に指定されている

 <地蔵堂(六角堂)(京都市有形文化財)>
 東海道に面して建つ六角の堂
 山科地蔵が祀られている
 鏡天井には、明治時代の画家 上田萬秋により龍図が描かれている
 扁額「六つの辻 四つのちまたに 地蔵そん 道ひきたまへ みだの浄土に」とかかる

 1908年(皇紀2568)明治41年の再建
 2020年(皇紀2680)令和2年3月31日 京都市有形文化財に指定


 <拝所(京都市有形文化財)>
 地蔵堂(六角堂)の手前に建てられている
 柱間を吹き放し、中央に六角形の石製香炉台があり香炉が置かれている
 頭貫を通した柱の上に平三斗、中備に雲の文様の蟇股、虹梁の上に大瓶束、唐破風には兎毛通などで飾られている
 東海道に面した両側の柱に「山科廻地蔵」「臨済宗 南禅寺派 徳林庵 」の門札がかかる

 1884年(皇紀2544)明治17年の新築
 1909年(皇紀2569)明治42年12月に改築されている
 2020年(皇紀2680)令和2年3月31日 京都市有形文化財に指定


 <本坊>
 1892年(皇紀2552)明治25年の再建


 <わらべ地蔵>
 地蔵堂の裏に安置されている6体のお地蔵さん
 一番右手のお地蔵は、琵琶を持っている

 <井戸手水>
 東海道を通る牛馬の水飲場として用いられていた
 1885年(皇紀2545)明治18年
 松村與三郎により掘削された

 手水盤は、江戸時代後期のもの
 「順番 定飛脚 宰領中 文政四巳年六月吉日」と刻まれている
 「宰領(さいりょう)」とは、荷物の運搬や旅行者の取り締まりをいう
 「丸に通」が刻まれており、目的地まで交代しない通し飛脚の通行手形に使われていた印で、日本通運株式会社の社章にも採用された


 <蝉丸・人康親王供養塔>
 地蔵堂の奥ある
 南北朝時代に建立されたもの
 塔身に阿弥陀三尊の梵字が刻まれている
 人康親王は、検校(盲官)や琵琶法師たちに盲人・座頭の始祖 雨夜尊(あまよのみこと)や天夜尊と崇められていた
 蝉丸(せみまる)は、平安時代前期の歌人で、琵琶の名器「無名」を愛用した盲目の琵琶法師だったといわれる
 江戸時代には、人康親王と同じような境遇の蝉丸と混同され「蝉丸供養塔(蝉丸塔)」とされていた
 近年になり、人康親王の名も刻まれた


 <茶所>
 参拝者や、東海道を通る人々にお茶をふるまったといわれる
 鎌倉時代の作といわれる阿弥陀地蔵四体石仏が安置されている
 1813年(皇紀2473)文化10年の銘の竈がある
 茶釜が置かれている


 <石碑「人康親王御墓」>
 門前の西角に2つ並んで立っている
 真北にある仁明天皇皇子 人康親王墓の参道になっている

 <石碑「南無地蔵菩薩」>
 門前の西角に人康親王御墓の石碑と2つ並んで立っている



【徳林庵の寺宝】

 <地蔵菩薩
 地蔵堂(六角堂)に祀られている
 通称:山科地蔵、山科廻地蔵(やましなめぐりじぞう)、四ノ宮地蔵
 852年(皇紀1512)仁寿2年
 小野篁が、木幡山(こばたやま)の一本の桜の大木から六体の地蔵菩薩像を刻んだうちの1体
 右手に錫状、左手に宝珠を掲げて、像高約3m
 木造彩色で、100年に一度ごとに修復されている


 <阿弥陀地蔵四体石仏>
 茶所に祀られている
 鎌倉時代の作といわれる4体の石仏

【徳林庵の祭事】

 毎月24日
 地蔵尊縁日祈祷

 <六地蔵めぐり
 地蔵盆
 8月22、23日
 通常非公開の閻魔天がご開帳される



【その他】

 <地名「四ノ宮」の由来>
 この地に隠棲した人康親王が、仁明天皇の第4皇子であったことからといわれる
 人康親王が隠棲した山荘は、「山科御所」「山階宮」などと称される


 <山科の人康親王ゆかりの地>
 周辺には、人康親王ゆかりの地がいくつかある
  人康親王人康親王墓
  人康親王を祭神とする琵琶琴元祖四宮大明神
  人康親王の琵琶石がある諸羽神社
  人康親王を開山として創建された十禅寺
  人康親王が出家して隠棲した山荘跡

【徳林庵へのアクセス】

 京阪電車 京津線 四宮駅 徒歩約5分
 地下鉄 東西線 山科駅 徒歩約10分
 JR東海道線 山科駅 徒歩約10分

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