大丸ヴィラは、烏丸通丸太町上ル西側に建つイギリス風の洋館
11代 大丸百貨店主 下村正太郎の旧邸で、「下村ハウス」とも称される
ヴォーリズ建築設計事務所の設計によるイギリスのチューダー様式で「中道軒(ちゅうどうけん)」とも称される
ほぼ純粋なチューダー様式といわれ、緻密さと正確さを持ち、日本では珍しく貴重なもの
「チューダー/チュードル様式」から「中道軒(ちゅうどうけん)」とも称せられる
鉄筋コンクリート造3階建
太い木製の柱枠を貼り付けているハーフティンバー
泰山製陶所(南区東九条)製造の泰山タイルが用いられている
外観は、ハーフティンバー(柱・梁・筋違などの骨組みを外に見せ、間に煉瓦・土・石を入れて壁にしている)
内部には、ねじれ棒状の手すりがつく階段
天井は、白漆喰で仕上げられた幾何学模様になっている
内部1階
ホールにマントルピースを設置
居間には、リネンフォード(リネンを織った図柄の浮彫り)の木製パネル、鉛の組子の窓、ステンドグラス、サンルームがある
食堂には、マントルピースを設置
2階には、寝室、書斎、子ども室、女中室などがあった
急勾配の瓦屋根に煉瓦積の煙突がある
煉瓦塀に南北に門戸がある
<庭園>
イギリスの古典主義の庭園
主庭園に西洋風井戸、日時計、陶製のアーン(壺)などが置かれている
<家具66点>
チューダー様式の家具
配置も設計者ヴォーリズの指導によるもの
建物と一体のものとして京都市登録文化財に追加指定される
<チューダー様式>
イギリスのチューダー王朝時代 (1485-1603年)の、ヘンリー7世からエリザベス1世の頃の美術・建築・装飾様式
伝統的なゴシック様式に、イタリア・ルネサンスの装飾的要素が加わっている
後期ゴシックの様式であり、垂直的な効果を特色にしている
木組みの梁・柱に漆喰・煉瓦の壁をもつ世俗的な建築でもある