歎異抄(たんにしょう)は、鎌倉時代後期に書かれた日本の仏教書
親鸞聖人の門弟の唯円が、親鸞聖人の死去後に湧き上がった異義や異端を嘆いて、誤りを正そうとしたもの
親鸞聖人が口伝した絶対他力の真信を、親鸞聖人没後に書きしるされた信仰書とされる
全1巻
<真名序>
この文が書かれることになった目的や由来が書かれている
<第一条から第十条まで>
第一条から第十条は、親鸞聖人が直接、唯円に語ったとされる言葉が記されている
直接法的な書き方がされていて、「・・・と云々」で終わる文が多い
「師訓篇」とも称される
<別序>
第十一条以降の序文
親鸞聖人の弟子から教えを聞き念仏する人々の中に、親鸞聖人の仰せならざる異義が多くあると記されている
<第十一条から第十八条まで>
第十一条以降は、異義を1つ1つ取り上げ、親鸞聖人が唯円に語った言葉を副えて、なぜそれが異義であるかの理由が述べられている
主な異義とは、
「どんな悪を犯しても助けるのが弥陀の本願だからといって少しも悪を恐れない者は、往生できない」という異義
「経典を学ばない者は弥陀の浄土へ往生できない」という異義
間接法的な書き方がされていて、「上人は・・・と、おほせさふらひき」「故上人の仰には」などの口伝の書式が多い
「歎異篇」とも称される
<後序>
法然上人がまだ生きており、親鸞聖人が法然上人から直接教え受けていた頃においても異義が生まれ、
誤った信心が後に伝わることを嘆き本書を記したと述べている
<流罪にまつわる記録>
承元の法難に関する記録が記されている
親鸞聖人が、「愚禿親鸞」と署名するようになったいわれも記されている
<真名序>
<第一条>
<第二条>
<第三条>
<第四条>
<第五条>
<第六条>
<第七条>
<第八条>
<第九条>
<第十条>
<後序>
<第十一条>
<第十二条>
<第十三条>
<第十四条>
<第十五条>
<第十六条>
<第十七条>
<第十八条>
<結語>
<流罪記録>
<奥書>
本書に作者名が記されていないために、作者について推測されてきたいるが、
本文中に名前の出る唯円(ゆいえん)であることが定説となっている
<唯円>
鎌倉時代の浄土真宗の僧
関東の河和田(現在の茨城県水戸市)出身
親鸞聖人から直接に教えを受けた門弟の一人
<西本願寺>
蓮如上人が写した「歎異抄(重要文化財)」がある