池坊専応(いけのぼうせんおう)は、戦国時代の六角堂に住房した僧であり立花師(花僧)
天皇や貴族の「御前の花をさす」「風興」の立花師で、池坊を立花界の主流にしたとされる
花伝書「専応口伝」を作製し、立花の体系化を図り、立花を大成する
<「専応口伝」>
1537年(皇紀2197)天文6年の相伝
池坊専応が相伝した花伝書、口伝書「花一道 座敷のかざり」「大巻并座敷荘厳之図」
座敷を荘厳する故実と、立花の一道を稽古するために必要な心得や技法が記されている
代々継承され、池坊華道の基本となるものとして「大巻」と称される
序文では、立花の美しさを「只、小水尺樹を以て…千変万化の佳興をもよをす、宛仙家の妙術」と述べている
本文では、従来の挿花のように単に美しい花を観賞するだけではなく、草木の風興をわきまえて、
「野山、水辺おのづからなる姿を居上にあらはし、花葉をかざり、よろしき面かげをもととしたものであり、
抑、是をもてあそぶ人、草木をみて心をのべ、春秋のあはれをおもひ、一旦の興をもよほすのみにあらず、
飛花落葉のかぜの前にかかるさとりの種をうる事も侍らん」と説く
生け花を遊び事でなく、花をいけることによって、悟りに至る自覚をもつことを成立させた
<七つ道具>
立花の基本の7つの構成要素「役枝(やくえだ)」の基を定めた
真・副(そえ)・請け・正真(しょうしん)・見越・流枝(ながし)・前置の7つ枝が固定される
形は円、釣り合いは前短後長右長左短によって作られるとした