嵯峨御流(さがごりゅう)は嵯峨天皇が創始されたとする華道の一派
「華道嵯峨御流」とも称される
嵯峨御流総司所は、大覚寺におかれている
嵯峨天皇が、大沢池で舟遊びをされたときに、小島に咲く可憐な菊を手折られ、殿上の花瓶に挿されたところ、
その姿が自ずから「天、地、人」の三才の法にかなっていたとされる
嵯峨天皇が、庭の花を瓶に挿し、兄の平城天皇に献上されたといわれる
嵯峨天皇が、「爾今、花を賞ずる者はこれを範とする」と言われ華道を進めたといわれ、
嵯峨天皇の自然や草木に対する慈しみの心(精神)が、いけばな嵯峨御流の礎になっているとされる
嵯峨御流には、「伝承花」と「心粧華」があり、
「伝承花」は、「生花」「盛花」「瓶花」「荘厳華」の四つの様式花から成り、
「心粧華」は、「祈り花」「才の花」「想い花」から成る
<伝承花>
室町時代、いけばなが立花(荘厳華)をもって興され、それ以降、抛入(瓶花)、生花、盛花の順に生まれ、
現在も、この四つの様式花が伝承されている
「伝承花」とは、いけ方や理論が、口伝や秘伝として伝えられてきた約束事など形式を重んじていけていくものを指す
荘厳華
仏前に供華する花として生まれ、足元が垂直に際立つ
多様な枝を働かせながら、重厚かつ荘厳な雰囲気をいけ表わされる
瓶花
花瓶に、花材の特質を生かし、瓶との調和を図りながら、自然の枝ぶりの美しさを簡潔にいけ表わされる
生花
美しい弓張りの姿をいけ表すために、足元を傾け、高・中・下の三所に、天・地・人の三枝を振出される
植物の自然の出生を踏まえながら、秩序ある姿形を仕立て、いけられる
盛花
水盤やコンポートなどの花器を用い、野山の草木や水草で自然の景観を描き出したり、色とりどりの草花を使って形や色彩を
自由に組み合わせたりしながら、盛りいけていかれる
<心粧華>
荘厳華、瓶花、生花、盛花を発展的に推し進めた花
「祈り花」「才の花」「想い花」がある
各々の様式の最も大切な精神や姿、形における理念を基として、植物自身が本来的に持つ美しさを最大限に生かし、
一人一人の心の粧いをいけばなで表現されたもの
祈り花
荘厳華が発展したもの
植物が発芽、生長する姿、その生命の尊さに合掌する心から「祈り花」と称される
足元が垂直に際立つ
才の花
生花が発展したもの
宇宙にあって万能の働きを有する天・地・人の三才の意から「才の花」と称される
足元が傾いて際立つ
想い花
盛花、瓶花が発展したもの
限りなく膨らむイメージに想いを託していけられるところから「想い花」と称される
足元の水際立ちについて制約がなく、自由に挿し表わされる
伝承花の「景色いけ」や「文人華」の心を踏まえたうえで、いける人それぞれの特色ある心象風景を風雅な趣で
いけ表す「想い花景色いけ」や「想い花文人華調」がある
<華道祭>
4月15日
嵯峨天皇の命日
嵯峨御流総司所がある大覚寺にて開催される
嵯峨天皇の遺徳を偲び、御宝前に献華する華道嵯峨御流最大の儀式
全国116の嵯峨御流の司所総てが結集して華展が開催される