浄瑠璃(じょうるり)(Jyoururi)

浄瑠璃(じょうるり)は、日本の伝統的な音曲芸能の一つ

浄瑠璃は、三味線を伴奏として、太夫が詞章(ししょう)を語る音曲

成立:室町時代
最盛期:江戸時代

別称:語り物(かたりもの)

重要無形民俗文化財(人形浄瑠璃)
世界無形文化遺産(人形浄瑠璃)

 浄瑠璃(じょうるり)は、舞台上手にぶん回しが設置され、義太夫の太夫と三味線による演奏が行われる

 詞章(ししょう)が単なる歌ではなく、劇中人物の台詞やその仕草、演技の描写などを含む

 語り口が叙事的な力強さを持ち「歌う」ではなく「語る」と称され、
浄瑠璃系統の音曲をまとめて「語り物(かたりもの)」と称される

 人形浄瑠璃(文楽)は、義太夫節(ぎだゆうぶし)による操り人形で物語を語る伝統芸能

 人形浄瑠璃ではすべての状況説明とセリフを太夫が語るのに対して、
 歌舞伎では状況説明を太夫が語り、役者がセリフを語るというような工夫がされている

 語り手によって節(ふし)の語りまわしが違ったことから、演奏者の名前をつけて「○○節」と称されるようになる
 現在、浄瑠璃音楽として残っているものは、
 義太夫節・清元節・新内節・常磐津節・河東節・一中節・宮薗節・富本節の8種の流派

【浄瑠璃の歴史・経緯】


【世話物】

 世話物は、市井に起こった事件や物語などを題材にしたもの
 事実を、涙あり笑いありで、庶民の日常が描かれる

 <堀川波鼓(ほりかわなみのつづみ)
 <曽根崎心中(そねざきしんじゅう)>
 <冥土の飛脚(めいどのひきゃく)>
 <新版歌祭文(しんぱんうたざいもん)>
 <心中天網島(しんじゅうてんのあみじま)>

【時代物】

 時代物は公家や武家社会に起こった事件や物語を題材にしたもの
 平安時代から戦国時代が、時代の背景となっている

 <仮名手本忠臣蔵(かなでほんちゅうしんぐら)
 赤穂浪士の事件を鎌倉時代に置き換えて作られる

 <国性爺合戦(こくせんやかっせん)
 作者 近松門左衛門の代表作の一つ
 お座敷遊び・お茶屋遊びの「虎拳」の由来にもなる

 <菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)>
 <義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)>
 <絵本太閤記(えほんたいこうき)>

【景事】

 景事は、能狂言、歌舞伎、文楽本体などから取材して独立したもの
 音楽的で舞踊の要素が強く、華やかでスピーディーな作品

 長丁場の作品中ガラリと気分を一心させる「引き抜き」、
 ちょっと重くなった気分を戻してお客を帰す「追い出し」などの効果を兼ねている

 <釣女(つりおんな)>
 <五条橋(ごじょうばし)>
 <団子売り(だんごうり)>
 <紅葉狩り(もみじがり)>

【流派】

 語り手によって節(ふし)の語りまわしが違ったことから、演奏者の名前をつけて「○○節」と称されるようになる

 現在は8つの流派が残っている

 <義太夫節(ぎだゆうぶし)>
 上方浄瑠璃
 人形浄瑠璃(文楽)の伴奏として、低音の力強い太棹三味線を、大きめの撥(ばち)で演奏される
 登場人物の感情表現がはっきりしている

 <清元節(きよもとぶし)>
 江戸浄瑠璃
 高音で一音一音を延ばし細かく節に変化をつける派手で粋な曲節
 声は、甲高い裏声を出す
 演奏には、やや細めの中棹三味線が用いられる

 <新内節(しんないぶし)>
 江戸浄瑠璃
 初期は、歌舞伎に用いられていた
 後に、江戸の遊郭などで座敷浄瑠璃として流行した
 演奏には、中棹三味線の中でも太めのものが用いられ、筝の義爪や、ごく小さい撥で細かく弾かれる

 <常磐津節(ときわづぶし)>
 演奏には、中棹三味線が用いられる

 <河東節>
 <一中節>
 <宮薗節>
 <富本節>

【その他】

 <浄瑠璃くずし丹波音頭(じょうるりくずしたんばおんど)>
 丹波地方の伝統的盆踊り
 近松門左衛門の「浄瑠璃」をくずした音頭に、踊りの振り付けをしたもの
 丹波音頭・踊り保存会が発足している

 <因幡薬師堂 平等寺
 一遍上人の都における布教の起点にもなり、猿楽興行が行われたり、浄瑠璃発祥の地ともいわれる

 <明福寺
 浄瑠璃の一中節を創始した都太夫一中が住職を務めていた寺院


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