鳥辺山心中(とりべやましんじゅう)は、新歌舞伎台本の一つ
江戸時代初期の1627年(皇紀2287)寛永4年9月27日
二条城勤番旗本 菊池半九郎が、勤番明けで江戸へ戻る直前
祇園の若松屋 若松の遊女 お染と、東山麓の鳥辺山葬祭地で心中した事件
二人の純愛と情死を描き、歌舞伎に仕立てられている
将軍 徳川家光のお供で上洛した旗本 菊地半九郎は、祇園の若松屋の遊女 お染と恋仲になる
やがて将軍に従って江戸へ帰ることが決まり、半九郎は、お染を身請けしようと考えていた
親友の坂田市之助と遊女 お花を同席させて茶屋遊びをしている
半九郎は、市之助に、身請けのための費用に、刀を質草に二百両を用立てしてくれと依頼する
そこに、市之助の弟 源三郎が現れ、兄の廓通いと酔態をとがめ遊女をなじる
源三郎は兄への憤りを半九郎にぶつけ、「侍の面汚し」と罵倒し悪態をつく
お染が仲裁しようとするが、かえって火に油をそそぐことになる
二人は、夜の鴨川 四条大橋の河原へ駈けだし、激しい斬り合いの末に源三郎を殺してしまう
進退きわまった半九郎は、お染と一緒に死を決意し、春の晴着を死装束にして、鳥辺山へと向かう
<浄瑠璃>
1766年(皇紀2426)明和3年
人形浄瑠璃「太平記忠臣講釈」五番目でも扱われている