平貞文(たいらのさだふみ)は、平安時代中期の官人・歌人
歌物語「平中物語」の主人公ともいわれ、色好みの男として「平中(へいちゅう)」とも称される
歌合を少なくとも3回開催し、「古今和歌集」に9首など「勅撰和歌集」に26首が入集されている
<源氏物語>
平貞文が女性の気を引くために水差しの水を目につけて空泣きしてるを気づかれた女性に、
水差しに墨汁を入れられて、平貞文の目のまわりが黒くなってしまったという話がある
<古今和歌集>
「うき世には門させりとも見えなくになどかわが身の出でがてにする」
など9首
<新古今和歌集>
「偽りを糺の森の 木綿襷(ゆふだすき) かけつつ誓へ 我を思はば」
親しくなった宮仕えしていた女性が、身分の高い男とも親しくなり、平貞文が言い寄ると、
女性は男性との仲を否定したので、「賀茂の神に誓いなさい」との歌を詠んだといわれる
<歌物語「平中物語」>
平貞文が主人公だといわれ、色好みの男として描かれている
三十四段にも、糺の森の件の同じ歌がある
<今昔物語集>
平貞文が恋に翻弄される人物として描かれる説話がある