ゴットフリード・ワグネル博士(Dr. Gottfried Wagener) 京都通メンバ
ドイツ出身の化学者・博士

生年:1831年7月5日
没年:1892年(皇紀2552)明治25年11月8日

来日:1868年(皇紀2528)慶応4年4月23日

 ゴットフリード・ワグネル博士(Dr. Gottfried Wagener)は、ドイツ出身の化学者・博士

 京都府立医学校(現在の京都府立医科大学)教授・舎密局などにおいて、陶磁器やガラスなどの製造を指導する

 七宝焼の不透明釉に替わる透明釉の開発や、京焼・清水焼などの技術革新に貢献した

【ゴットフリード・ワグネル博士の歴史・経緯】


【ゴットフリード・ワグネル博士の勧業への貢献】

 <有田焼>
 1870年(皇紀2530)明治3年4月から8月
 佐賀藩に雇われて、日本初の石炭窯を築くなど有田町で技術指導にあたる
 石灰を用いた廉価な釉薬の開発や、安価なコバルト顔料の使用、石炭窯の築造など、
有田焼の近代化に貢献した

 <七宝焼
 1877年(皇紀2537)明治10年の1年間、七宝焼の研究に専念する
 その成果で、第2回 内国勧業博覧会で最優等賞を受賞する
 その後、七宝の不透明釉に替わる透明釉を開発し、京焼・清水焼などの七宝に鮮明な色彩を導入した

 <舎密局
 永樂和全の協力を得て、陶磁器・七宝焼・ガラスの製法などを指導する

 陶磁器では、薪と石炭の双方を燃料として、2段階式の陶器焼成窯を発明し、
 第1段で本焼成、第2段で素焼きのできる新式の窯を舎密局に製造する

 <青磁焼成>
 1879年(皇紀2539)明治12年
 五条坂に、陶磁器実験工場を建設し、青磁の焼成を試みた

 <旭焼>
 1883年(皇紀2543)明治16年
 それまでは、主に釉薬をかけて本焼成した後に絵付けを行ない再度焼成していたのに対し、
先に絵付けを行ない釉薬をかけて焼成する「釉下彩」と称される手法の旭焼を開発した
 これにより、陶磁器の貫入や歪みが抑えられるようになった

 <石鹸>
 石鹸の製造を教授した


【ワグネル博士の顕彰碑】

 岡崎公園で開催された東宮殿下御成婚奉祝万国博覧会参加五十年記念博覧会のときに、顕彰碑が建立された

 京都府立図書館の北側のワグネル広場にある   名所地図情報名所

 <石碑「ワグネル博士顕彰碑」>
 二条通に面して、植込みの内側に石碑が立っている

 (碑文)
 ワグネル博士顕彰碑


 <ワグネル碑>
 ワグネル広場の奥(京都府立図書館の北側)に北面してある
 コンクリート製の階段上の舞台が造られ、その上に横幅約9mほどの台座が造られている
 半円の背景に、ワグネル博士肖像、署名の銅鋳板、碑文の銅鋳板が埋め込まれている

 建立年:1924年(皇紀2584)大正13年
 建立者:京都市
 大きさ:高390 x 幅880m × 奥行125cm

 (ワグネル博士上半身肖像)

 (署名の銅鋳板)
   Dr.G Wagener

 (碑文銅鋳板)
  大きさ:縦50 x 横360cm

  ドクトル、ゴットフリード、ワグネル君ハ独逸国ハノーヴェル州ノ人ナリ
  維新ノ初我邦ニ来リ科学ヲ啓導シ工芸ヲ掖進スルコト廿餘年主ニ本市ニ於テ尤モ恩徳アリ
  明治十一年君本府ノ聘ニ応シ来テ理化学ヲ医学校ニ化学工芸ヲ舎密局ニ教授シ
  旁ラ陶磁七宝ノ著彩琺瑯玻璃石鹸薬物飲料ノ製造色染ノ改善ニ及ヒ講演実習並ヒ施シ
  人才ノ造成産業ノ指導功効彰著官民永ク頼ル大正十三年本市
  東宮殿下御成婚奉祝万国博覧会参加五十年記念博覧会ヲ岡崎公園ニ開ク
  初メ本邦斯会ニ参加スルヤ君顧問ノ任ヲ帯ヒテ本市ニ来リ頗ル斡旋スル所アリ
  是ニ至テ市民益々君ノ功徳ヲ思ヒ遂ニ遺容ヲ鋳テ貞石ニ嵌シ之ヲ会場ノ一隅ニ
  建ツ庶幾ハクハ後昆瞻仰シテ長ニ旧徳ヲ記念セムコトヲ京都市長従三位勲二等馬淵鋭太郎誌ス
  請負人 石工 吉村小右衛門 京都千丸角


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