<空間の香り>
お堂・お茶席・床の間・居間などを香りで演出される
線香・印香・キャンドル・フレグランスオイルなどが用いられる
<持ち運ぶ香り>
いつでもどこでも、やすらぐひと時を過ごすことができる
香筒・匂い袋などが用いられる
<着る香り>
箪笥や衣装箱などに、虫よけ香や衣香を入れ、ほのかな移り香を楽しむことができる
衣香・虫よけ香などが用いられる
<送る香り>
手紙に香りを添え、封を開けた瞬間に上品な香りで心遣いを伝えられる
文香などが用いられる
<お供えする香り>
ご仏前へ香りをお供えする
焼香、線香などが用いられる
香木は、主に3種類あり、数百年の歳月をかけて香りが熟成される
甘い香りがしたり、酸っぱい香りがしたりと、奥深い複層的な香りが楽しめる
香木の香質は、味覚にたとえて、辛(シン)・甘(カン)・酸(サン)・鹹(カン)(しおからい)・苦(ク)の5種類に分類される
<伽羅(きゃら)>
ジンチョウゲ科の常緑高木
ベトナムのごく一部の地域でしか採れない貴重な香木
樹木の内部に樹脂が蓄積し、数百年の間、土中に埋もれていたもので大変貴重なもの
<沈香(じんこう)>
ジンチョウゲ科の常緑高木
樹木の内部に樹脂が蓄積し、長い年月をかけて香りが形成され熟成される
<白檀(びゃくだん)>
ビャクダン科の熱帯性常緑樹
幹部の芯材を切り出してよく乾燥させて用いられる
お香の原料は、長い年月をかけ熟成した香木や、薬や食用として使われている天然の漢薬香料が使用される
漢薬香料を複雑に調合することで、無限の香りが生まれる
<唐木香(からもっこう)>
キク科の多年草の根を乾燥させた生薬
中国原産
<八角(はっかく)・大茴香(だいういきょ)>
モクレン科の常緑喬木の実
中国南部・ベトナム北部原産
<丁子(ちょうじ)>
フトモモ科のチョウジノキの花蕾で、辛く刺激の強い香りがある
インドネシア・ザンジバル原産
<零陵香(れいりょこ)>
サクラソウ科モロコシソウの地上部の全草
中国原産
<樒(しきみ)>
マツブサ科の常緑性小高木で、樹皮や葉に独特の強い香りがある
主に、樹皮や葉を乾燥して粉末にして抹香で使われる
<桂皮(けいひ)>
クスノキ科の常緑高木の樹皮でシナモンの強い香りがある
中国南部・ベトナム・スリランカ・インドネシア原産
<竜脳(りゅうのう)>
フタバガキ科の常緑樹の心材の隙間に結晶したもの
成分は、ほぼ純粋なボルネオールで、強い中枢麻痺作用があり、防虫剤にも用いられる
スマトラ島・ボルネオ島などの原産
<藿香(かっこう)>
シソ科の多年草であるパチョリの葉や茎を乾燥させたもの
健胃薬にも用いられる
インドネシア・フィリピン原産
<鬱金(うこん)>
ショウガ科の多年草のウコンのの根茎
黄色素があり、カレーの原料や、染料・健胃薬・止血医薬にも用いられる
インド・中国南部原産
用途に応じて、香木や、天然の漢薬香料が加工される
<抹香(まっこう)>
粉末状の香
高級品では、沈香や白檀などの香木を粉末にされる
一般には、主に、樒(しきみ)の樹皮や葉を乾燥して粉末にされる
時間を計る目的で使われることもあり、時香盤(香時計)にも用いられる
<練香(ねりこう)>
粉末状の抹香を、貝殻などの甲香(こうこう)を蜜や梅肉などで練り固めた香
「合香(あわせこう)」「薫物(たきもの)」などとも称される
合わせる香料の数で「三種香」「五種香」とも称される
平安時代には貴族は、一人一人が自分だけの香りを持ち、その香りもステータスのひとつだったといわれる
現在では、主に焼香用に用いられる
<印香(いんこう)>
粉末の抹香を、型に入れ固めて、型抜きして乾燥させた香
色や形も楽しめる
温めて香りを楽しむ
<線香(せんこう)>
練香を線状の棒にされたもの
先端に火をつけて香りを楽しむ
<積層乾燥法>
昭和時代後期に考案された線香の乾燥方法で、品質向上が図られた
段ボール板と柔らかいお線香を交互に積み重ね、段ボールのコルゲート部(波形の穴)に空気を通して、
線香を押さえたまま乾かせる技術
それまで、3週間ほどかかっていた線香の乾燥が3日ほどに短縮され、
乾燥の中で反り曲がりや、製品が曲がる・折れやすい・カビが発生しやすい・燃焼時間が短いなどの品質が改善された