京金網(きょうかなあみ)

京金網(きょうかなあみ)は、伝統的な金網細工により手作りされる

針金と釘を打ちつけた作業台(木型)(網台)だけで、亀甲編みなどの美しさと実用性をもった製品が製作される

茶こし・焼き網など昔ながらの台所用品や、コーヒードリッパなど現代的な日用品も制作される

京都市の伝統産業の一つ

 (写真は京都伝統産業ミュージアムにて撮影)

【京金網】

 <京金網(きょうかなあみ)>
 平安時代
 宮廷・神社仏閣などで多く用いられていた
 野外では、鳥よけや、灯籠の外張りなどで用いられていた

 針金と釘を打ちつけた作業台(木型)(網台)だけで製作される

 用途に応じて、針金(銅線)の太さや硬さを選択し、釘に合わせて網目の大きさを変えることができる
 何度でも針金をねじることができ、枠の中で好みの編み目が生み出せる

 六角の目に編む「亀甲編み」は、美しさだけでなく強度もあり「用の美」をもつ

 台所用品のほか、近年では料理の器や小道具などに用途が広がってきている
 張り替えもきくのも特徴で、長年使い続けることができる

 <主な作例>
 茶こし・うらごし器・豆腐すくい ・湯豆腐杓子・亀甲杓子・あくすくい
 手編み手付き焼網・足付焼網・胡麻いり・銀杏いり
 水切網・足付丸網・食器水切りカゴ・野菜水切りかご・おとし蓋
 手編みコーヒードリッパー・コースター・おしぼり入れ・箸たて
 吊りかご・ふた付干しかご・ポーチ・ワインバッグ
 など

【製作工程】

 主な3種類の製作手法
 <全て手編み>
 木型に合わせて編み上げていく

 <機械で編まれた網に手で加工を施す>
 焼き網など、溶接など手作業を加えて完成させる

 <曲げ輪などにステンレスや馬毛を張る>
 うらごし器など


 主な製作工程
 <菊出し>
 最初に編まれる、金網の底の部分
 菊の文様が作られる
 設計図が敷かれた網台を用いて、釘になまし銅線を引っかけ、ねじり・編み・ねじりを繰り返していく

 <亀甲編み>
 製品・大きさによる木型に合わせて、亀の甲羅のように六角形の文様に編み込んでいく
 指先の微妙な力加減など、高度な技能を必要とする

 <仕上げ>
 外枠をはめ、導線を巻き付けて、余計な部分を切り落とす


 2種類の銅線
  持ち手(柄)や口の円枠といった屋台骨に用いる硬い銅線
  網になる、高温で熱し軟らかくした「なまし銅線」

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