京繍(京縫)は、絹や麻の織物に、絹糸・金糸・銀糸などを用いて刺繍される
基本的な技法は、約15種類、その他合わせて約30種類ほどの技法がある
一本の針と絹糸、金銀糸、太さと縒り(より)の異なる多数の糸から、すべて手作業で模様が縫いだされる
刺繍だけで絵が描がかれ、額に入れたり屏風にされ鑑賞される絵画作品もある
<まつい繍>
<繍切>
<片切繍>
<割繍>
<刺繍>
<割刺繍>
<霧押え繍>
<鎖繍>
<相良繍>
<渡り繍>
<駒使い繍>
<組紐繍>
<菅繍>
<肉入繍>
<竹屋町繍>
<芥子繍>
など
<縫糸>
絹糸・漆糸・金糸・銀糸・金銀平箔糸など
平糸・撚糸など
<縫針>
細い方より
毛針・極細・大細・切附・天細・相細・相中・相太・中太・大太・小衣装・中衣装・大衣装・極衣装・かがり針
など
<下絵羽(したえば)>
<下絵描>
<生地張>
<繍加工>
<仕上げ>
<上絵羽(うええば)>
<縫糸の製作>
絹糸・漆糸・金糸・銀糸・金銀平箔糸などが用いられる
糸染:絵柄により、必要に応じて、生糸を染色する
糸巻:縫糸を巻き上げる
糸撚:さらに、必要に応じて、撚りをつけながら巻き上げる
<勧修寺>
刺繍 釈迦如来説法図(国宝)
「勧修寺繍帳」と称される
奈良国立博物館に寄託
<浦嶋神社(宇良神社)(伊根町)>
草花文段片身替繍箔小袖(重要文化財)
桃山時代の作品
京都国立博物館に寄託
<京都国立博物館>
刺繡 大日如来掛幅 鍍金装具付(重要文化財) 鎌倉時代の作品
小袖 繍箔風景四季花文(重要文化財) 桃山時代の作品
刺繍 桐桜土筆文肩裾小袖(重要文化財) 桃山時代の作品
黒紅染分綸子地松皮菱段模様繍箔小袖(重要文化財) 江戸時代の作品
刺繍 須弥山日月図九条袈裟 屏風仕立(重要文化財) 中国 南宋時代の作品
九条袈裟 田相黄山道文綾 条葉紺繻子地諸尊花鳥文刺繍(重要文化財) 中国 南宋時代頃の作品
<織部司(おりべのつかさ)>
平安京において刺繍技術工が集められたところを「織部司」と称する
<縫箔(ぬいはく)>
刺繍と金銀箔模様を併用したもの
小袖(こそで)、能装束、婚礼の打掛けなどに用いられる