京たたみ(きょうたたみ)

京都府で伝統的な手法(手縫い)により生産されている畳(たたみ)

京もの指定工芸品
京都市の伝統産業

登録地域ブランド
地域団体商標「京たたみ」(京都畳商工協同組合)

 (写真は京都伝統産業ミュージアムにて撮影)

 京たたみ(きょうたたみ)は、京都府で伝統的な手法(手縫い)により生産されている畳

 手縫いによる高級畳は、独特の風情があり、保温性にも優れ丈夫で機能的とされ、100年以上は使用できるといわれる

 畳(たたみ)には、一般の家庭や茶室で使用される「一般畳」と、神社仏閣で使用される「有職畳」の2つに大きく分けられる
 有職畳には、「厚畳」と「排敷」がある
 有職畳は、高度な技術を必要とし、ほとんどが京都府で生産されている

 「京たたみ」の名称は、地域団体商標で、京都府知事から指定を受けた京都畳商工協同組合員の生産した畳にのみ使用される

【京たたみの歴史・経緯】


【京たたみ】

 畳(たたみ)には、一般の家庭や茶室で使用される「一般畳」と、神社仏閣で使用される「有職畳」の2つに大きく分けられる

 有職畳には、「厚畳」と「排敷」がある

 有職畳は、高度な技術を必要とし、ほとんどが京都府で生産されている

 基本的な構造や製法は、大昔から変わっていない

 大徳寺方丈には、1673年(皇紀2333)寛文13年の銘がある畳が112帖、現存している


 <構造>
 畳は、畳床・畳表・畳縁のシンプルな構造でできている

 幾重にも重ねた稲藁を締め付けて圧縮して作られた畳床に、天然のイグサを編みこんで織られた畳表を上からかぶせ、
縁辺に「畳縁」を縫い付けて仕上げられる

 <畳床(たたみどこ)>
 お米を収穫した後の稲わらを40cmほど積み重ね、5cmほどに圧縮して縫い上げて作られる

 天然稲わらの畳床は、湿度調節機能・防音性・防火性・断熱性・耐久性・復元力などにも優れ、足あたりがとてもよい

 稲ワラ畳床の品質基準として、特級から3等級まで格付けされている

 近年の一般畳には、藁床に変わり木材チップの圧縮板で発泡スチロールをはさんだ軽い建材畳床が用いられている場合がある


 <畳表(たたみおもて)>
 経糸にイグサを織り込んで作られる

 経糸には、麻糸と綿糸とがあり、麻糸の方が綿糸よりも丈夫とされる
 経糸が丈夫であれば、多くのイグサを織り込む(打ち込むという)ことができ、
目の詰まった丈夫な畳表を織ることができ、表面にきれいな山型が作られて厚みが増し、足あたりや肌触りの感触もよくなる

 イグサの質や長さ、色や本数などによって等級付けされる
 イグサの内部は、スポンジ状で、無数の穴があり、空気中の二酸化窒素などの有害物質を吸着する性質がある
 アンモニアなどの嫌な臭いも消し、空気の浄化作用がある
 イグサの香りは人をリラックスさせる効果がありといわれる

 <畳縁(たたみべり)>
 綿糸を使って作られる、麻糸を使った高級な麻縁もある
 無地、柄の入ったもの、寺院や床の間などでは紋縁が用いられたりする



 <製造工程>
 一般畳:板入れ・かがり・平刺し・返し縫い・隅作り・框縫い

 有職厚畳:板入れ・隅柱・中柱立て・かがり・平刺し・返し縫い・紋合わせ

 有職拝敷:かがり・平刺し・返し縫い・紋合わせ

 板入れは、框板の縫い付けに置いて、戻し縫いで2本掛けにて均等に縫い付ける

 縁の隅は、紋合わせがされ、美しく隅をたたまれる

 畳の裏の畳縁の隅は、タスキ掛け止めをされる

 畳の裏の框止めは、畳表の経糸をかがり、畳表のしわ発生を抑え美しく仕上げられる

 畳の框仕上げは、藁にて厚みの調整をして、畳の厚みと畳よせの高さを揃えられる

 返しは、畳の切り口の保護と厚みの調整をして美しく仕上げられる

【登録地域ブランド】

 「京たたみ」は、登録地域ブランドで、地域団体商標(京都畳商工協同組合)として登録されている

 京都府の伝統工芸品等の一つ、京都市の伝統産業の一つにも指定されている

 京都畳商工協同組合の加盟者で、京都市・宇治市・城陽市・向日市・長岡京市・京田辺市・与謝野町の
指定生産区域内で製造したものが、「京たたみ」と呼称できる

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