種類は、大きく分けると番傘・蛇の目傘・日傘・舞傘の4種類
番傘と蛇の目傘は、和紙の上から油を塗り防水加工を施している
日傘は、防水加工はされず、和紙そのものの発色が楽しめる
舞傘には和紙ではなく、本絹布を貼ってあるものもある
朱大傘や、さしかけなどの神事・仏事・茶事・ディスプレイ・展示装飾・店舗装飾などで用いられる和傘もある
<番傘(ばんさか)>
大き目のサイズで、骨組みが太く頑丈でしっかりしている男女兼用として使われる雨傘
持ち手の柄は竹で作られており、無地の和紙を張り付けたシンプルな意匠
内側の小骨には、装飾もなくシンプルな作り
傘を開くと、放射線状に広がる均等に配置された骨組みで竹の美しさがみられる
江戸時代の時代劇にもよく出てくる
<蛇の目傘(じゃのめかさ)>
傘を開いたときに、基本となる色に、異なる色の太い輪が広がる
魔除けの力をもっている神の使いの蛇の目に似ていることから名付けられた
番傘に比べて、細工が細かく装飾が施されている
木棒の柄には籐が巻かれている(腰巻)
持ち手の柄の下に「石突」と称される下に置いたときに保護する金具がついている
傘を開いたときに止める「ハジキ」が2段についていて、風が強いときなど傘を狭めて開くことができる
内側の小骨部分には、デザイン性のある華やかな装飾の飾り糸が施されている
江戸時代に歌舞伎の小道具と使われたことから流行した
<日傘>
日の光を遮るための傘
防水加工はされておらず雨の日には適さない
油が塗られていないので、和紙本来の美しい色合いを楽しむことができる
和紙には、型をおき順に模様の色をのせていく型押しが施されるなど、見た目にも美しい傘が多い
傘の内側には飾り糸がつけられる
<舞傘>
舞台などに使用され、着物の柄の邪魔をしないよう、舞の引き立てる小道具として作られる
非常に軽く、踊りやすくできている
和紙や、本絹布で作られている
本絹製は、透明度が高く上品で美しい仕上がりになっている
和紙は、油で防水加工をして和紙が強くなるよう処理がされているが、長持ちさせるには、正しくお手入れをする必要がある
使った後は、長めに自然乾燥させる
使って畳んだ後は、傘の先端のカッパの部分を持ち、雨水が防水加工されていない内側に入り込まないようにする
置くときには、柄を下して、先端のカッパを上にして立てかける
和傘は、和紙・竹・木・亜麻仁油・漆・柿渋・タピオカなどの天然素材で作られている
和傘は、複雑に変化する機構を持っており、非常に高度な構造をもっている
骨数は30~70本(洋傘は8本が主流)
和傘は、多くの細く割った竹骨で和紙を支えるようにして開く
開いたときには、末広がりに真っ直ぐに広がる
洋傘は、骨の針金の張力で生地を内側から押し上げて開き、丸みを帯びたシルエットになる
畳んだとき、和紙が骨の内側に畳みこまれ1本の棒のようになる
洋傘は、生地を骨の外側に巻きつけるように畳む必要がある
<和傘の部分>
柄(え)
親骨:和紙を支える
小骨:内側から親骨を支える
天ろくろ:最上部で、柄と親骨がつながる
下ろくろ:柄を上下する、小骨がつながる部分
かっぱ:先端部分にカバーがかかっている
天井紙:一番上の和紙
中張り紙
平紙
はじき
腰巻:柄に籐が巻かれているものもある
石突き:柄の最下部に保護する金具がつけられるものもある
京和傘の材料は分業制で作られ、それぞれ専門の竹骨職人・和紙職人・和傘職人らが作った材料を集め組んでいく
数週間~数カ月をかけて京和傘となっていく
<下事(したご)>
<まくわり>
<軒紙張(のきがみはり)>
<中置張(なかおきはり)>
<胴張(どうばり)>
<カラ巻き>
<みの>
<手元>
<姿付け(すがたつけ)>
<頭包(あたまづつみ)>
<骨上塗り(ほねうえぬり)>
<油引き・天日干し>
<カッパ付け>
<仕上げ>