京友禅(きょうゆうぜん)(Kyo Yuuzen)

京友禅(きょうゆうぜん)は、模様染めの染織工芸の一つ

経済産業大臣指定(1976年(皇紀2636)昭和51年)の伝統工芸品の一つ
工芸品分類:染色品

主な生産地:京都市・宇治市・亀岡市・城陽市

京もの指定工芸品
京都市の伝統産業

 (写真は京都伝統産業ミュージアムにて撮影)

 友禅染めは、模様染めの染織工芸の一つ

 京友禅は、着物地やコート・羽織など、白生地に、花鳥風月(かちょうふうげつ)など
多彩で絵画調の華やかな模様を染め表される
 友禅染に刺繍(ししゅう)、金銀箔を施した超高級品もある

 染料を定着させるための糊を流す「友禅流し」が、鴨川堀川で行われていた

 京友禅の技法には、手描友禅(てがきゆうぜん)と型友禅(かたゆうぜん)に大別される
 手描友禅は、江戸時代中期に、扇絵師 宮崎友禅斎によるデザインで大流行する
 型友禅は、明治時代初期に、広瀬治助によって開発され、模様を写し取った型紙(かたがみ)を使って量産が行われるようになった

【京友禅の歴史・経緯】





 (写真は京都伝統産業ミュージアムにて撮影)

【京友禅の技法】

 京友禅の技法は、大きく「型友禅(かたゆうぜん)」と「手描友禅(てがきゆうぜん)」に分けられる

 手描き友禅は、色素で下絵(したえ)を描き、それに沿って墨で描く要領で、輪郭を細い筒に入った
防染糊(ぼうせんのり)(糸目糊(いとめのり))を生地に載せていく
 その後、色挿しを行う

 全体に伏糊(ふせのり)を置いて地染め(じぞめ)し、蒸して染料を定着させる
 その後、水洗い「友禅流し」をして不要な糊を流す
 鴨川堀川で、友禅流しが行われていた

 細かい線画やぼかしなど、細かい行程は、糊を剥がした後に行なわれる

 <型摺り染め技法>
 摺り切り友禅(すりきりゆうぜん)   カチン摺り友禅(かりんずりゆうぜん)
 摺り暈し友禅(すりぼかしゆうぜん) 摺り疋田友禅(ゆりびったゆうぜん)
 惨み摺り友禅(にじみすりゆうぜん) 摺り更紗友禅(すりさらさゆうぜん)
 紗摺り友禅(しゃずりゆうぜん)

 <写し染め技法>
 写し友禅(うつしゆうぜん)  糊暈し友禅(のりぼかしゆうぜん)
 ゆうき返し(ゆうきかえし)  スクリーン友禅

 <型染め技法>
 京小紋(きょうこもん)     両面写し小紋(りょうめんうつしこもん)
 縞写し染め(しまうつしぞめ) 伊予染め(いいぞめ)
 京紅型(きょうびんかた)   型絵草木染め(かたえくさきぞめ)

 <手描き染め技法>
 糊糸目友禅(のりいとめゆうぜん)       ゴム糸目友禅(ごむいとめゆうぜん)
 型糸目友禅(かたいとめゆうぜん)       堰出し友禅(せきだしゆうぜん)
 素描き友禅(すがきゆうぜん)          濡れ描き友禅(ぬれえがきゆうぜん)
 豆描き友禅(まめがきゆうぜん)        点描式友禅(てんびょうしきゆうぜん)
 色撒糊友禅(いろまきのりゆうぜん)      白揚げ友禅(しろあげゆうぜん)
 茶屋染(ちゃやぞめ)               友禅糊叩き(ゆうぜんのりたたき)
 友禅糊流し(ゆうぜんのりながし)        友禅手摺り疋田(ゆうぜんてずりびった)
 友禅糊疋田(ゆうぜんのりびった)        蝋盤打出し鹿の子(ろうばんうちだしかのこ)
 描き更紗染め(かきざらさぞめ)         丸刷毛友禅(まるばけゆうぜん)
 描上げ彩色蝋纈(かきあげさいしきろうけつ) 玉糊友禅(たまのりゆぜん)
 一珍染め(いっちんぞめ)             手描き写し加工(てがきうつしかこう)
 金彩友禅(きんさいゆうぜん)           漆糸目描き(うるしいとめがき)
 しけ引き(しけびき)

 <暈し染め技法>
 絵羽暈し(えばぼかし)   重色暈し(かさねいろぼかし)
 型付け足暈し(かたずけあしぼかし)

 <絞り染め技法>
 辻ケ花染め(つじがはなぞめ)   絞り友禅(しぼりゆうぜん)
 から絞り友禅(からしぼりゆうぜん)

 <蝋纈染め技法>
 蝋纈友禅(ろうけつゆうぜん)          蝋堰出し友禅(ろうせきだしゆうぜん)
 蝋線描き友禅(ろうせんがきゆうぜん)    蝋半防染描き(ろうはんぼうせんがき)
 チャンチン描き更紗(ちゃんちんがきさらさ) 蝋吹雪(ろうふぶき)
 蝋叩き(ろうたたき)               蝋纈絞り(ろうけつしぼり)
 糊起し蝋染め(のりおこしろうぞめ)      型蝋纈(かたろうけつ)
 亀裂染め(きれつぞめ)             蝋纈版染め(ろうけつはんぞめ)

 <版染め技法>
 紅板染め(べにいたぞめ)           夾纈染め(きょうけつぞめ)
 手摺り木版画染め(てずりもくはんぞめ)  版染め友禅(はんぞめゆうぜん)
 踏込み木版染め(ふみこみもくはんぞめ)  槌杵染め(つちしょうぞめ)
 石版染め(せきばんぞめ)           ゴム版染め(ごむばんぞめ)
 木目起し(もくめおこし)            木版ローラー捺染(もくばんろーらなせん)
 ローラー機械捺染(ろーらきかいなせん)

 <特殊染め技法>
 墨流し(すみながし)          色流し(いろながし)
 糊流し(のりながし)          のせ加工友禅(のせかこうゆうぜん)
 ダンマル描き(だんまるがき)     ダック染め(だっくぞめ)
 ゴム垂らし染め(ごむたらしぞめ)  連管染め(れんかんぞめ)
 石摺り(いしずり)            珊瑚摺り(さんごずり)
 木葉摺り(このはずり)         蝶染め(ちょうぞめ)
 ピース加工染め(ぴーすかこうぞめ) 地紋起し(じもんおこし)
 頭摺り(あたまずり)          落し染め(おとしぞめ)
 押し模様染め(おしもようぞめ)    卯の花染め(うのはなぞめ)
 挽き粉暈し(ひっこぼかし)      百色捺染(ひゃくしょくなせん)
 彩纈染め(さいけつぞめ)       ピクチャー版画染め(ぴくちゃはんがぞめ)


 (写真は京都伝統産業ミュージアムにて撮影)

【手描友禅の制作工程】

 <図案考案>
 <湯のし(下のし)>
 <検尺(けんじゃく)・墨打ち(すみうち)>
 <下絵羽>
 <下絵>
 <糸目糊置(いとめのりおき)>
 <伏糊>
 <引染(ひきぞめ)>
 <蒸し>
 <水元>
 <湯のし(下のし)>
 <手挿友禅>
 <蒸し>
 <水元>
 <金彩>
 <手刺繍>
 <補正(地直し)>
 <上絵羽>


 (写真は京都伝統産業ミュージアムにて撮影)

【型友禅の制作工程】

 <図案考案>
 <湯のし(下のし)>
 <型彫(かたほり)>
 <地張り>
 <型置き(かたおき)>
 <引染(ひきぞめ)>
 <蒸し>
 <水元>
 <湯のし(下のし)>
 <金彩>
 <手刺繍>
 <補正(地直し)>
 <上絵羽>


【その他】

 <宮崎友禅斎
 友禅染の祖とされる江戸時代前期の町絵師・意匠家
 扇絵から小袖模様の意匠を手がけ、それが友禅染の誕生の由来となったといわれる
 染見本帳の「余情雛形」を出版して、友禅染の意匠を広めた


 <広瀬治助
 染料を混ぜた写し糊(色糊)を用いる写し友禅の技法を考案し、京友禅の大量生産を可能とした


 <知恩院
 三門のすぐ南に京友禅の始祖 宮崎友禅斎の寓居跡がある
 宮崎友禅斎の銅像、友禅斎謝恩碑が立っている


 <京福 嵐山駅 キモノフォレスト
 京友禅の生地をアクリルで包み、高さ約2mのポールにして竹林に見立て、構内や周辺に600本ほど飾られている


 <まゆまろ
 京都府広報監の役職を持つ京都府のゆるきゃら
 繭をモチーフに、京都の和装を身にまとっている
 繭からできるシルクが、美しい丹後ちりめん西陣織・京友禅の着物になるように、京都から新しい文化を創り育てることを表している


【京都検定 第8回3級】

【京都検定 第10回3級】

【京都検定 第14回3級】

【京都検定 第19回3級】

【京都検定 第2回2級】

【京都検定 第7回2級】

【京都検定 第13回2級】

【京都検定 第17回2級】

【京都検定 第4回1級】

【京都検定 第5回1級】


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