京象嵌(きょうぞうがん)は、地金(じがね)に細かい布目(ぬのめ)の溝を彫り、金・銀・銅などを槌で打ち込む布目象嵌が主流
ペンダント、帯留め、タイピン、高級バッジなどの小物アクセサリから、重厚繊細な花瓶まで用途は広い
素材は、金属だけではなく、彩色した木材や骨片、貝殻なども用いられる
鉄や銅などの地金の表面を彫り、デザインのくぼみをつくる
くぼみの内側は、後ではめ込む部品が定着しやすくするために細かな溝を彫っておく
色彩の異なる金属などの素材をそのくぼみと同じ形に切り出し、彫ったものを埋め込む
表面の微細な段差をなくし滑らかに加工するために、漆を塗り、焼きをいれた後に研ぐ(数回繰り返す)
全体を再度研磨して仕上げる
はめ込んだ部品やその周囲に、さらに彫刻を施す場合もある
<目切り三年(めきりさんねん)>
地金に布目タガネを小さな金槌で叩きながら、布目筋模様を入れる
肉眼ではほとんど見えないほど細かい布目に金・銀・銅などを嵌め(はめ)、酸洗い腐食、
漆焼(うるしやき)、表面磨き、華麗な毛彫りなどの工程がある
<螺鈿(らでん)>
金属ではなく、薄く削った貝殻をはめ込む技法
「螺」は貝のことで、「鈿」は象嵌の意味がある
<木象嵌(もくぞうがん)>
様々な色調の木材をはめあわせて絵の板を作り、それを?(かんな)で薄く削り、和紙に貼り付けたもの
「寄せ木細工」の技法の一つ
<鉄宝相華孔雀銅象嵌半舌鐙(重要文化財)>
平安時代の作
許波多神社の所蔵
<刀 金象嵌銘義弘本阿(花押)(重要文化財)>
本多美濃守が所持したもの
南北朝時代の作
京都国立博物館所蔵