お豆腐狂言(おとうふきょうげん)は、茂山千五郎家が家訓として提唱する狂言のスタイル
お豆腐のように、どこでも親しみやすい狂言が行われている
お豆腐狂言は、親しみやすい狂言を目指し、どこにでも出かけて演じられる茂山千五郎家の狂言
二世茂山千作の当時、狂言や能は、一部の特別な階層の人々だけのもので、
能舞台以外で上演をしてはいけないと考えられていた
しかし、二世茂山千作は、地蔵盆や結婚式、お祝い席など、小さな集会ににも出かけていき狂言を演じて、
昔から伝わる普遍的な笑いの芸能である「狂言」の大衆への普及を図った
それを狂言仲間からは、「どこにでも売りに出て廻る豆腐のようだ」と悪口を言われたとわれる
二世茂山千作は、「お豆腐自体は高価でも上等でもないが、味付けによって高級な味にもなれば、
庶民の味にもなる。お豆腐のように、どんな所でも喜んでいただける、より美味しいお豆腐になるような
狂言を演じられるよう努力すればよい。」と言われたといわれる
京都では、日々のおかずに困ったら「お豆腐にでもしとこか」などといわれており、
「余興に困ったら茂山の狂言にでもしとこか」と、気軽に呼ばれることを誇りに、
いつの時代でも広く愛され、飽きのこない味わい深いのある狂言を継承されている