若柳流(わかやぎりゅう)

 若柳流(わかやぎりゅう)は、日本舞踊の5大流派の一つ

 創始年:1895年(皇紀2555)明治28年
 創始者:若柳吉松(本名:若林勇吉)

 手振りの多いことが特徴で、振りの繊細さと全体の品位を大切にしている舞踊とされる
 舞台の振付から離れて、花柳界に勢力を広げ各地に地盤を築いた

 分家独立や勢力争いなどにより、数多くの分派が存在している

 宮川町で行われる京おどりの振付の流派となっている

【若柳流の歴史・経緯】

【若柳流の代々家元】

 <初代家元>
 本名:若林勇吉(わかばやしゆうきち)
 生年:1845年(皇紀2505)弘化2年7月25日
 没年:1917年(皇紀2577)大正6年7月22日
 12歳で、花柳流の初世 花柳壽輔の弟子となる
 15歳で、花柳壽輔の幼名である「芳松」の名を与えられ「花柳芳松(はなやぎよしまつ)」となる
 花柳壽輔と共同で多くの振付に携わり、三代目 花柳芳次郎と共に中村座の振付を担うなど花柳流の高弟に数えられていた
 1893年(皇紀2553)明治26年
 花柳壽輔との間で意見の相違が生じ破門される
 その後、若柳流を創始し、若柳吉松(わかやぎきちまつ)と改名する
 舞台の振付をやめ、花柳界に進出し、柳橋の花街を中心に地盤を築いた
 1905年(皇紀2565)明治38年、還暦を迎え、「若柳壽童(わかやぎじゅどう)」に改名した

 <二世家元>
 若柳吉蔵(わかやぎきちぞう)
 生年:1879年(皇紀2539)明治12年6月21日
 没年:1944年(皇紀2604)昭和19年1月25日
 本名:竹内幸太郎
 東京小石川水道町で、父親は落語家で「ステテコ踊り」で一世風靡した初代 三遊亭圓遊のもとに生まれる
 12歳で、振付師 西川古代に入門
 2年後に廃業し、落語家となり、父親の門下になり三遊亭清遊から三遊亭小圓遊を名乗る
 1896年(皇紀2556)明治29年
 再度、舞踊に転じ、若柳流初代家元 若柳吉松の門下になる
 1897年(皇紀2557)明治30年
 若柳吉蔵を名乗る
 1918年(皇紀2578)大正7年
 若柳流二世家元を継ぐ

 <三世家元>
 二代目 若柳吉蔵、二代目 若柳寿童
 生年:1921年(皇紀2581)大正10年8月11日
 没年:1989年(皇紀2649)平成元年7月17日
 本名:竹内正次
 二世家元 若柳吉蔵に師事し、養子となり、若柳吉正蔵を名乗る
 1944年(皇紀2604)昭和19年
 二代目 若柳吉蔵を襲名するとともに、若柳流三世家元を継ぐ
 このとき、家元制の若柳流と、理事制の正派若柳流とが分裂する
 1962年(皇紀2622)昭和37年、「若柳寿邦(わかやぎじゅほう)」に改名
 1988年(皇紀2648)昭和63年、二代目 若柳寿童を襲名する

 <四世家元>
 若柳吉正蔵、若柳壽延
 1953年(皇紀2613)昭和28年
 三世家元 二代目 若柳吉蔵の長男として生まれる
 1965年(皇紀2625)昭和40年
 12歳で若柳流四世家元を継承し、「若柳吉正蔵」を襲名する
 1966年(皇紀2626)昭和41年、「若柳正蔵」に改名する
 1982年(皇紀2642)昭和57年
 三代目 若柳吉蔵を襲名し、東京・歌舞伎座、大阪・新歌舞伎座にて襲名披露公演を開催する
 1985年(皇紀2645)昭和60年、「若柳壽延」に改名する

 <五世家元>
 三代目 若柳吉蔵
 1970年(皇紀2630)昭和45年
 三世家元 二代目 若柳吉蔵の三男として生まれる
 本名:竹内英雄
 1997年(皇紀2657)平成9年1月
 若柳錦秀から、「若柳吉蔵」を襲名する

【若柳流の流派】

 <宗家若柳流>
 若柳流初代家元 若柳吉松、後に若柳壽童
 二世家元 若柳吉蔵
 三世家元 二代目 若柳壽童、後に二代目 若柳寿童
 三世家元 若柳寿童の死後、長男の四世家元 若柳寿延と三男の五世家元 若柳吉蔵とに分裂する

 <正派若柳流>
 二世家元 若柳吉蔵のときに、理事制による運営が行われるようになり、三世家元 二代目 若柳壽童が継ぐときに分裂
 1951年(皇紀2611)昭和26年
 正派若柳会が運営機関として設立される
 二代目 若柳壽童の直弟子である若柳吉登代が総務理事となる
 1955年(皇紀2615)昭和30年
 若柳吉登代が死去して、若柳寿慶が総務に就任する
 1971年(皇紀2631)昭和46年
 若柳寿慶が独立し、「直派若柳流」を創始する
 その後、 若柳吉駒を理事長とする「寿慶協会」と、若柳慶を会長とする「寿慶会」に分裂する
 さらに、寿慶協会から若柳寿宏が「直派分家若柳流」として独立
 寿慶会から若柳汎が「汎栄会」を創始する

 <若柳流西家元>
 1950年(皇紀2610)昭和25年
 二世家元 若柳吉蔵の長女で、三世家元 二代目 若柳吉蔵の姉、関西の勢力を統括するため分家していた若柳吉世が独立
 若柳吉世の死後、長女 若柳吉瀬世童が二代目 若柳吉世を襲名し、後を継いでいる

 <直派若柳流>
 1971年(皇紀2631)昭和46年
 正派若柳流 若柳吉登代の死後、総務となった若柳寿慶が、分離・独立して創始する
 若柳寿慶の死後、若柳吉駒を理事長とする「直派若柳流寿慶協会」と、若柳慶を代表とする「直派若柳流寿慶会」に分裂する

 <直派分家>
 1974年(皇紀2634)昭和49年
 若柳壽宏が、直派若柳流寿慶協会から分離・独立して創始する

 <汎栄会>
 1974年(皇紀2634)昭和49年
 若柳汎が、直派若柳流寿慶会から分離・独立して創始する

花街のをどり

 <京おどり
 歌舞伎仕立ての題目の、舞の技を前面に出して、男性ぽいイメージもある舞が楽しめるといわれる
 流派:若柳流


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