頼政(よりまさ)

頼政(よりまさ)は、能の演目・謡曲の一つ

分類:二番目物(修羅能)

作者:世阿弥

主人公:(前シテ)老翁、(後シテ)源頼政の霊
主な登場人物:旅僧、宇治の里人

季節:夏(旧暦5月)

場所:平等院

 頼政(よりまさ)は、の二番目物(修羅能)の演目・謡曲の一つ

 平等院を舞台に、平家物語源頼政を主人公(シテ)とする

【頼政のあらすじ】

 諸国一見の旅僧が、京都から奈良に向かう途中、宇治の里を通りかかり、素晴らしい風景に見とれていると、
この土地の人が来るのを待ち、そこへやってきた一人の老翁に名所を尋ねる

 老翁は、旅僧に、あたりの名所を教え平等院へと誘う
 旅僧は、庭に扇の形に刈り込まれた芝があるのを見て尋ねると、ここは源頼政が戦死したゆかりの地であると教えられる
 旅僧が合掌して回向すると、老翁は喜び、ちょうど今日がその命日にあたり、自分は源頼政の霊であると名乗って消える

 その後、僧は、やってきた宇治の里人に、源頼政の挙兵の理由や宇治橋の合戦の模様を聞く
 僧は、哀れに思い、源頼政のために読経し、うたたね寝をする
 その僧の夢の中に、法師姿で甲冑を着て武装した老将が現れる
 僧は、法華経の読誦により成仏できることを話すと、
 源頼政は、1180年(皇紀1840)治承4年の夏に挙兵した時のことから話し始め、宇治に陣を構えた様子を語る
 そして、宇治川を挟んだ合戦や、平家方300余騎が川を渡ってくる様子、踏み留まって防戦した様子を語る
 しかし、敗戦を覚悟した源頼政は、平等院の芝の上に扇を打ち敷き、
「埋れ木の 花咲くことも なかりしに 身のなる果ては 哀れなりけり」の辞世を詠じて自害する
 その跡が世にいう「扇の芝」であると話し、僧に回向を願って草の陰に消えていく

【その他】

 <源頼政>  平安時代末期に活躍した摂津源氏の武士
 平家とは友好的な関係を保っていたが、息子の源仲綱が平清盛の子 平宗盛に屈辱を受けたことから
77歳で平家打倒の謀反を企てた

 <平家物語巻四「橋合戦」>
 宇治橋の上での源頼政軍と平家軍との激しい合戦の様子が記されている

 <二番目物(修羅能)>
 武人が主人公(シテ)になる
 平家物語の登場人物の霊が現れ、自分の最期の場面や、死後の苦しみを見せるものが多い
 武士は殺生を繰り返した罪で、死後は戦いにあけくれる「修羅道」へ堕ち苦しみ続けると考えられており
「修羅能(しゅらのう)」と称される

 <狂言通圓
 宇治橋畔が舞台
 「頼政」のパロディ


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