片山家(かたやまけ)は、能楽シテ方観世流の名家
片山九郎右衛門(かたやまくろうえもん)は、片山家の代々当主が襲名する名前
片山家は初代から現在に至るまで京都で活動し、江戸時代には禁裏御能に出勤していた
観世流の流れをくんで京都において観世流の師範にあたり、「関西の観世流の総支配人」「観世流の京都所司代」とも称される
片山九郎右衛門(かたやまくろうえもん)は、京都片山家における当主
<初代 豊貞>
丹波国氷上郡片山村(現在の丹波市山南町)から出て、京都に移住してくる
1728年(皇紀2388)享保13年に死亡
<2代 豊慶(幽室)>
当初、観世流の素人役者 阿佐太左衛門に教わり、父親を亡くした後に、江戸に出て14世 観世大夫清親の弟子となる
玄人の能役者として本格的に活動するようになる
<3代 豊正>
<4代 豊泰(真助)>
<5代 豊尚>
<6代 豊光(晋三)>
京舞井上流家元3世 井上八千代と結婚
<7代 博祥(観世元義)>
観世宗家 観世清孝の三男で、6代 豊光の養子となる
長男が、24世観世宗家 左近(元滋)となる
<8代 博通>
7代 博祥の次男
京舞井上流家元4世 井上八千代と結婚
<9代 博太郎(幽雪)(人間国宝)>
1930年(皇紀2590)昭和5年8月26日
父親 片山博通(8代 九郎右衛門)、母親 4代井上八千代の長男として京都で生まれる
1936年(皇紀2596)昭和11年に初舞台
1960年(皇紀2620)昭和35年に9代 九郎右衛門を襲名
1995年(皇紀2655)平成7年に芸術院会員、京都観世会会長,能楽協会理事長
2001年(皇紀2661)平成13年に人間国宝
2009年(皇紀2669)平成21年に文化功労者
長女が、京舞井上流家元5世 井上八千代となる
<10代 清司>
1964年(皇紀2624)昭和39年12月23日
片山幽雪(九世 片山九郎右衛門)の長男として生まれる
1970年(皇紀2630)昭和45年に「岩船」で初シテ
2003年(皇紀2663)平成15年に文化庁芸術祭新人賞
2010年(平成22年)1月に9世 幽雪より、当主を譲られる
2011年(平成23年)1月1日に10世 片山九郎右衛門を襲名する
社団法人京都観世会会長、公益財団法人 片山家能楽・京舞保存財団常務理事
<能「三輪(白式神神楽)」>
能「三輪」にある小書(特殊演出)
片山家で作られたもの
1849年(皇紀2509)嘉永2年
関白 鷹司政通が、還暦の御祝儀に「三輪(誓納)」を勤めるよう、五代目 片山九郎右衛門豊尚に命じられ、
その小書は、家元の一子相伝で、弟子家には許されぬこととして辞退するが、「誓納」に代わる小書を作れと命じられ、
在京の囃子方とともに作成された
<京舞井上流>
六代 片山晋三が、京舞井上流 吉住春子(片山春子)(後の三世 井上八千代)と結婚
八代 片山博通が、片山春子の高弟 愛子(後の四世 井上八千代)(人間国宝)と結婚
九代 片山博太郎の長女 片山三千子(四世 井上八千代の孫)が家元を継承し、五世 井上八千代となる