風神雷神図屏風(ふうじんらいじんずびょうぶ)(Wind God and Thunder God Screens)

風神雷神図屏風(ふうじんらいじんずびょうぶ)

作者:俵屋宗達

時代:江戸時代
種類:紙本金地著色
大きさ:169.8×154.5cm
指定:国宝

所蔵:建仁寺

 風神雷神図屏風は、前面に金箔をおし、右雙に風神、左雙に雷神が描かれている二曲一双の屏風

 落款も印章もないが、俵屋宗達の晩年の最高傑作とされている

 雷神は、左手上方より、雷雲に乗っている
 風神は、右手上方より、風に乗り髪をなびかせている

 中央の広い空間には、一面に金箔が張り敷かれ、無限の奥行をもつ
 風神、雷神を、画面左右上隅に置かれ、天衣や太鼓など所持品の一部が画面の外にはみ出している
 これによって空間が外へ向かって拡大され、天空の限り無い広さが表される

 簡潔な構図で、色彩も単純化されて描かれている

【風神・雷神】

 風神、雷神は、千手観音菩薩の眷属(けんぞく)である天部
 二十八部衆との戦いに敗れ、仏教に帰依して二十八部衆に加えられ30体一組で祀られる

 風と雷に代表される自然現象をつかさどる神
 肩布を首に巻き上半身は裸、下半身に裳(も)を着る

 風神(ふうじん)は、風袋を背中に背負い、巻き髪、牙をむく
 手の指は、4本ずつ、足の指は、2本ずつの青鬼

 雷神(らいじん)は、日本の民間信仰や神道における雷の神
 手の指は3本ずつ、足の指は2本ずつの赤鬼
 小太鼓を輪にめぐらせ両手にばちを持ち、打ち鳴らして雷を落とす


【俵屋宗達の模倣作品】

 江戸時代の初期・中期・後期に、それぞれ琳派絵師の手で描きあげられた3つの風神雷神図がある

 <尾形光琳(おがたこうりん)>
 重要文化財
 東京国立博物館
 俵屋宗達の作から約80年後に、俵屋宗達を慕い、琳派の後継者を自負し模倣を描く
 二神の位置を中央に寄せて構図の安定が図られている

 <酒井抱一
 尾形光琳の模作からさらに約100後の江戸時代末期
 琳派を再興した酒井抱一が、あらためて尾形光琳の画から模作を描く


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