風神雷神図屏風は、前面に金箔をおし、右雙に風神、左雙に雷神が描かれている二曲一双の屏風
落款も印章もないが、俵屋宗達の晩年の最高傑作とされている
雷神は、左手上方より、雷雲に乗っている
風神は、右手上方より、風に乗り髪をなびかせている
中央の広い空間には、一面に金箔が張り敷かれ、無限の奥行をもつ
風神、雷神を、画面左右上隅に置かれ、天衣や太鼓など所持品の一部が画面の外にはみ出している
これによって空間が外へ向かって拡大され、天空の限り無い広さが表される
簡潔な構図で、色彩も単純化されて描かれている
風神、雷神は、千手観音菩薩の眷属(けんぞく)である天部
二十八部衆との戦いに敗れ、仏教に帰依して二十八部衆に加えられ30体一組で祀られる
風と雷に代表される自然現象をつかさどる神
肩布を首に巻き上半身は裸、下半身に裳(も)を着る
風神(ふうじん)は、風袋を背中に背負い、巻き髪、牙をむく
手の指は、4本ずつ、足の指は、2本ずつの青鬼
雷神(らいじん)は、日本の民間信仰や神道における雷の神
手の指は3本ずつ、足の指は2本ずつの赤鬼
小太鼓を輪にめぐらせ両手にばちを持ち、打ち鳴らして雷を落とす
江戸時代の初期・中期・後期に、それぞれ琳派絵師の手で描きあげられた3つの風神雷神図がある
<尾形光琳(おがたこうりん)>
重要文化財
東京国立博物館
俵屋宗達の作から約80年後に、俵屋宗達を慕い、琳派の後継者を自負し模倣を描く
二神の位置を中央に寄せて構図の安定が図られている
<酒井抱一>
尾形光琳の模作からさらに約100後の江戸時代末期
琳派を再興した酒井抱一が、あらためて尾形光琳の画から模作を描く