尾形光琳(おがたこうりん)は、江戸時代の画家・工芸家
主に京都や江戸で活躍し、琳派の大成者
後世に「琳派」と称される装飾的大画面を得意とした画派を生み出した始祖
江戸時代中期を代表する画家の一人
狩野派の山本素軒に学ぶ
俵屋宗達と直接的な師弟関係はない
「風神雷神図」「槙楓図」のように俵屋宗達の絵画を模して描かれ、俵屋宗達の画法を学んだとされる
江戸に下向していた時代は、雪村の絵を模写した作品がいくつか残っている
雅で優美な古典を感じさせる大和絵的な描写の中に、斬新な構図や画面展開を取り入れられている
明快で装飾的で華麗な表現で、革新性の高い独自の様式を確立している
当時最大の画派であった狩野派とは一線を画している
制作年代のはっきりわかる作品は少ない
画風や画面に捺されている印章などから制作年が推定されている
屏風画の他、香包、京扇子、団扇、小袖、蒔絵、水墨画なども手がけた
晩年は、実弟 尾形乾山の陶器の絵付も手がけている
<紅白梅図屏風(こうはくばいずびょうぶ)(白梅図)(国宝)>
二曲一双屏風
MOA美術館の所蔵
二曲一双の左右隻に画材をおさめる構成
白梅の樹幹の大部分を画面外に隠して、紅梅は画面いっぱいに描いて左右に対照の妙をみせる
中央に水流をおいて末広がりの微妙な曲面をつくり上げた構図
花弁を線描きしない梅花の描き方や蕾の配列、樹幹のたらし込みは、「光琳梅」と称される
向かって右隻に「青々光琳」、左隻に「法橋光琳」と落款があり、それぞれ「方祝」の朱文円印が押されている
<燕子花図(かきつばたず)(国宝)>
六曲屏風
根津美術館の所蔵
<中村内蔵助像(重要文化財)>
1704年(皇紀2364)宝永元年の作
大和文華館の所蔵
<太公望図(重要文化財)>
京都国立博物館の所蔵
<風神雷神図(重要文化財)>
二曲屏風
俵屋宗達の作品「風神雷神図屏風」を模したもの
東京国立博物館の所蔵
<寿老松竹梅図 三幅対>
妙顕寺の所蔵
<八橋蒔絵螺鈿硯箱(やつはしまきえらでんすずりばこ)(国宝)>
東京国立博物館の所蔵
<仁和寺 遼廓亭>
黒書院の北西に建つ茶室がある建物
尾形光琳好み(設計)といわれる
仁和寺門前竪町の尾形光琳の屋敷「習静堂」にあったものを移築したものといわれる
<妙顕寺塔頭 泉妙院>
尾形光琳・尾形乾山兄弟のお墓がある
<下鴨神社 光琳の梅>
御手洗川にかかる輪橋のそばに立つ
尾形光琳の「紅白梅図屏風」のモデルといわれる
<琳派>
桃山時代後期から近代まで活躍した、同じ傾向の特徴を持つ画家や美術家・工芸家の流派
本阿弥光悦と俵屋宗達が創始し、尾形光琳・尾形乾山兄弟によって大成される