土佐光起(とさみつおき)は、江戸時代初期の土佐派を代表する大和絵の絵師
室町時代末期以来中断していた宮廷の絵所を復活し、絵所預りとして活躍する
伝統的な大和絵の手法に漢画を取り入れ、土佐派の再興の基礎を築き、土佐派中興の祖とされる
江戸時代初期に、宮廷の絵所を復活し、絵所預りとして活躍した土佐派を代表する大和絵の絵師
大和絵の主流だった土佐派だけでなく、ライバルの狩野派や宋元画を学ぶ
南宋の院体画家 李安忠の「鶉図(国宝)」を父親譲りの細密描法を用いて何度も描いて学び、
後の土佐派の絵師たちに描き継がれている
それまで土佐派が描かなかった風俗画や草木図などの題材を取り上げ、清新な画風を作り出す
温雅な大和絵に克明な写生描法を取り入れ、江戸時代の土佐派様式を確立した
土佐派の特質を「異国(中国)の画は文の如く、本朝(日本)の画は詩の如し」と評している
容貌は、祖父 土佐光吉に似ていたといわれ、息子の土佐光成による肖像画が残る(京都国立博物館蔵)
<本朝画法大全>
1690年(皇紀2350)元禄3年(死去する前年)
土佐派の画法を体系化して書き残す
それまで口伝であった土佐家伝来の秘伝を、誤って伝えられるのを恐れて著された
門外不出とされる
内容は、画の六法・三品・十二忌などの説明や、様々な技法、筆や顔料の事など実践的な記述がされている
<紙本著色 北野天神縁起絵巻 3巻(重要文化財)>
北野天満宮蔵
1685年(皇紀2345)貞享2年〜1691年(皇紀2351)元禄4年の間の作
<紙本着色 大寺縁起絵巻 3巻(重要文化財)>
開口神社(堺市)蔵
1690年(皇紀2350)元禄3年頃の作
上巻は三村明神がこの地に鎮座した由来、中巻は行基の誕生から幼少児の逸話など、
下巻は空海や空也と当社との関係を描く
<紙本着色 源氏物語絵巻(末摘花) 1巻(重要文化財)>
石山寺蔵
土佐光起の作といわれる
<紙本金地着色 秋草鶉図屏風 六曲一双(重要文化財)>
名古屋市博物館蔵
<勧修寺書院(重要文化財)襖絵「竜田ノ紅葉図」>
土佐光起・土佐光成父子の作とされる
<勧修寺書院(重要文化財)襖絵「近江八景図」>
土佐光起・土佐光成父子の作とされる
<高桐院「日吉山王祭礼屏風」>
大津市 日吉大社の山王祭を描いた六曲一双の屏風
土佐光起の作ともいわれる
<金地院東照宮(重要文化財)三十六歌仙の額>
土佐光起の筆