琳派(りんぱ)(Rinpa)

 琳派(りんぱ)とは、桃山時代後期から近代まで活躍した、同じ傾向の特徴を持つ画家や美術家・工芸家の流派

 創始:本阿弥光悦俵屋宗達

 尾形光琳尾形乾山兄弟によって大成され、酒井抱一・鈴木其一が江戸の地に定着させた

 別称:宗達光琳派、光琳派

【琳派の主な特徴】

 大和絵の伝統を基盤とされている

 豊かな装飾的な画風・デザイン性をもち、
 鮮麗な色彩で、背景に金銀箔・金泥・銀泥を巧みに用いたり、大胆な構図、型紙のパターンを用いた繰り返し、
たらしこみの技法などがある


 絵画を中心として、書や諸工芸など、総合的に扱われる
 題材は、花木・草花多い
 「風神雷神図」は多くの画家によって描かれ、それぞれの作品はよく比較の対象にされている

 家系による継承ではなく、個人的に断続的に継承され、同じような主題や図様、独特の技法を意識的に用いて
流派のアイデンティティが保持されている
 尾形光琳俵屋宗達を、酒井抱一尾形光琳をそれぞれ傾倒し、その影響を受けている

 狩野派や円山派四条派など他の江戸時代の流派は、模写を通じて直接、師から画技を学んだのに対し、
琳派では、時間や場所、身分など遠く離れた人々によって受け継がれている

 ヨーロッパの印象派や、現代の日本画、デザインにも大きな影響を与えている

【琳派の主な画家・芸術家】

 <本阿弥光悦
 1558年(皇紀2218)永禄元年−1637年(皇紀2297)寛永14年
 琳派の創始とされる
 寛永三筆の一人に数えられる書家でもある

 <俵屋宗達
 生没年不詳、江戸時代初期

 <俵屋宗雪>
 生没年不詳、江戸時代初期

 <尾形光琳
 1658年(皇紀2318)万治元年−1716年(皇紀2376)享保元年

 <尾形乾山
 1663年(皇紀2323)寛文3年−1743年(皇紀2403)寛保3年

 <渡辺始興
 1683年(皇紀2343)天和3年−1755年(皇紀2415)宝暦5年

 <深江芦舟>
 1699年(皇紀2359)元禄12年−1757年(皇紀2417)宝暦7年

 <中村芳中>
 生年不詳−1819年(皇紀2479)文政2年

 <酒井抱一
 1761年(皇紀2421)宝暦11年−1828年(皇紀2488)文政11年
 江戸琳派

 <鈴木其一>
 1796年(皇紀2456)寛政8年−1858年(皇紀2518)安政5年

 <池田孤邨>
 1801年(皇紀2461)享和元年−1866年(皇紀2526)慶応2年

 <酒井鶯蒲>
 1808年(皇紀2468)文化5年−1841年(皇紀2501)天保12年

 <村越其栄>
 1808年(皇紀2468)文化5年−1867年(皇紀2527)慶応3年

 <山本光一>
 生没年不詳、江戸時代後期

 <神坂雪佳
 1866年(皇紀2526)慶応2年−1942年(皇紀2602)昭和17年

【琳派の諸派】

 <宗達光琳派>
 琳派の創始といわれる俵屋宗達本阿弥光悦など

 <光琳派>
 尾形光琳尾形乾山と、その作風を継承した酒井抱一など


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