大徳寺の塔頭 孤篷庵にある茶室
小堀遠州好み
九畳(手前座一畳を含む)と、三畳の相伴席(しょうばんせき)からなる十二畳の広間の書院式茶席
一間幅の床(とこ)がある
床脇の手前座の壁は、腰に明かり障子をはめ込み、草庵風になっている
庭園に面した西側には広縁があり、広縁と庭の境には明かり障子がはめ込まれている
この明かり障子で庭園を眺める額縁効果があり、額縁に当たる上半分の障子で西日を避け、
中敷居を通して下半分のみが吹き放ちになっていて、そこから庭園が眺められる
天井は、胡粉をすり込んで板の木目が浮き出た「砂摺り天井(すなずりてんじょう)」によって、
明るさを巧みに取り入れる細工がされている
「露結(ろけつ)の手水鉢」と、各地の名石を集めて作った寄せ燈籠を近景として、
背後の書院 直入軒の庭を遠景として取り込んだ構成
「忘筌(ぼうせん)」とは、荘子(そうじ)の「魚ヲ得テ筌ヲ忘レ」という句にちなんだものといわれる
「目的を達すれば道具(筌:魚をとるための道具)の存在を忘れる」という禅の悟りがしるされる