長勢(ちょうせい)

平安時代後期の仏師

生年:1010年(皇紀1670)寛弘7年
没年:1091年(皇紀1751)寛治5年11月9日
享年:82

定朝の弟子
円勢の父または師

円派の祖
法印

 長勢(ちょうせい)は、平安時代後期の仏師

 定朝の直弟子で、定朝が作り上げた和様化を発展させた

 仏師で初めて最高位の法印に叙せられた

 円勢の父親あるいは師といわれ、円派の祖とされる

【長勢の歴史・経緯】

【長勢の作品】

 広隆寺に、現存する長勢唯一の遺作として極めて重要な作品が残る
 1064年(皇紀1724)康平7年
 藤原資長の発願により、広隆寺の本尊 霊験薬師の脇侍として、長勢がその一門を率いて造仏したもの
 定朝により平等院阿弥陀如来像で完成された彫刻和様化の造型が、長勢によっていっそう雅びに発展し、
 唐様を脱却した洗練された和様化が実現されている

 <広隆寺 木造寄木造彩色 十二神将立像(国宝)
 像高112〜120cm
 奈良時代鎌倉時代のような忿怒の面相や形態はない
 均衡のとれた穏やかさがあり、甲冑や衣文など細部までこまかく、気品と優雅を持っている

 <広隆寺 木造漆箔彩色 日光菩薩立像(重要文化財)>
 像高175.0cm
 平安時代前期の特徴である威圧するような形態や量感はない
 肩から腰部、脚部へと流れるなだらかな優美な線で構成されている
 面相も、慈悲にあふれた優しい表情であり、 藤原貴族が好んだ典雅な気品が表現されている
 肉身部や裳の裏返しの部分に金箔が施され、繊細な美しさを出している

 <広隆寺 木造漆箔彩色 月光菩薩立像(重要文化財)>
 像高174cm
 日光菩薩立像と同様な作風

【その他】

 <円派(えんぱ)>
 平安時代中期から鎌倉時代仏師の一派
 長勢は、定朝の子 覚助と共に、定朝の直弟子として定朝没後の中心的な人物となる
 円勢の父親あるいは師といわれ、円派の祖とされる
 長円・賢円・明円と「円」の字を仏師号にもつ仏師が多いため名付けられる

 <京都三条仏所>
 平安時代中期、京都三条にあった仏師の工房
 長勢を祖とする円派の仏師が活躍した
 鎌倉時代には七条仏所におされて衰退した


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