康円(こうえん)は、鎌倉時代中期の慶派の仏師
湛慶もとで三十三間堂の再興本尊の造仏にあたり、大仏師となり、慶派(七条仏所)の主宰者として活躍する
康円が活動した時代は、東大寺、興福寺などの復興造仏事業が一段落した時代で
康円の現存作品には小品が多く、工芸品的な作品が多い
小品ながら、個性を巧みに彫り分けて、群像表現に優れ、忿怒像を得意とした
<地蔵菩薩像>
ケルン市東洋美術館の所蔵
1249年(皇紀1909)建長元年に山城国深草郷(伏見区深草)の地蔵院の像として作られたといわれる
現存するもっとも古いもの
<千手観音菩薩立像(重要文化財)>
三十三間堂所蔵
1251年(皇紀1911)建長3年から1254年(皇紀1914)建長6年
1,001体千手観音菩薩像のうち6体に康円銘がある
<太山王坐像・司命半跏像・司録半跏像(重要文化財)>
白毫寺(奈良市)所蔵
1259年(皇紀1919)正元元年の作
<四天王眷属立像(重要文化財)>
1267年(皇紀1927)文永4年の作
内山永久寺(天理市)の旧蔵、現在は博物館・美術館に分蔵されている
<不動明王八大童子像(重要文化財)>
世田谷山観音寺所蔵(東京)(内山永久寺(天理市)の旧蔵)
1272年(皇紀1932)文永9年の作
<文殊菩薩騎獅像及び侍者像(文殊五尊像)(重要文化財)>
東京国立博物館所蔵(興福寺勧学院の旧蔵)
1273年(皇紀1933)文永10年の作
<愛染明王坐像(重要文化財)>
神護寺の所蔵(東京国立博物館に寄託)
1275年(皇紀1935)文永12年の作