延喜式神名帳(えんぎしき じんみょうちょう)

律令の施行細則(格式)が集大成された「延喜式」の巻9・巻10の神名式上下のこと

別称:しんめいちょう
別称:神祇官帳(じんぎかんちょう)、官社帳、神社帳、神帳、官帳

 延喜式神名帳(えんぎしき じんみょうちょう)は、律令の施行細則が集大成された「延喜式」の巻9・巻10の神名式上下のこと

 平安時代中期に「官社」に指定されていた全国の神社一覧が記されている

 全国を、宮中・洛中・五畿七道の諸国・郡別に分けて、合計2861官社(3132座)の神社名と祭神名が記載されている

【延喜式神名帳の歴史・経緯】


【延喜式神名帳の構成】

 <構成>
 「延喜式」全50巻、約3300条

 1〜10巻:「神祇式」
  神祇官に関わる施行細則が記載されている

  巻1・巻2:定例祭
  巻3:臨時祭
  巻4:大神宮
  巻5:斎宮
  巻6:斎院
  巻7:踐祚大嘗祭
  巻8:祝詞
  巻9・巻10:神名帳上下(通称:延喜式神名帳)

【延喜式神名帳の内容】

 全国を、宮中・洛中・五畿七道の諸国・郡別に分けて、合計2861官社(3132座)の神社名と祭神名が記載されている

 神社名が羅列され、官幣社国幣社の別、大社・小社の別と祭神の数、幣帛を受ける祭祀が明記されている
 祭神名や由緒などの記載はない


 <式内社と式外社>
 神名帳に記載されている神社を「式内社」と称して、格式を表す
 記載されている神社は「式外社(しきげしゃ)」と称される


 <官幣社国幣社
 毎年2月の祈年祭に神祇官から幣帛を受ける神社を「官社」とされる
 各神社の祝部(はふりべ)が、神祇官に集まり幣帛を受け取っていた

 その後、
 神祇官から幣帛を受ける「官幣社」と、国司から幣帛を受ける「国幣社」とに分けられた
 遠方で、祝部の上京が困難な神社は、各国の国司から幣帛を受けられるようにされた

 式内社では、官幣社が573社(737座)、国幣社が2288社(2395座)


 <大社と小社>
 当時の各神社の重要度や社勢によって定められた

 官幣大社 198社(304座)・ 国幣大社 155社(188座)
 官幣小社 375社(433座)・ 国幣小社 2133社(2207座)

【その他】

 <論社(ろんしゃ)・比定社(ひていしゃ)>
 現在において、延喜式神名帳に記載された神社と同一、あるいは推定される神社のこと
 式内社でも、その後に、衰退・廃絶したり、社号や祭神が変わったり、遷座や分祀、他の神社に合祀されたりして、
所在がわからなくなった神社も多い
 また、式内社であったことの確実な証拠はほとんど無く、伝承によりその神社自ら式内社だと主張することも多い


 <明神二十二社
 延喜式神名帳に記載がなくても、広く崇敬を得ていた神社22社を定め、祈年祭に朝廷から奉幣があった
 京都には、その半数以上の12社があった


 <別表神社
 第二次大戦後、憲法により公的な社格の制度が廃止されたため、
それに代わるものとして神社本庁が定め、神社本庁が所管している神社


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