蹴上発電所(けあげはつでんしょ)(Keage Power Plant) 京都通メンバ
所在地:京都市左京区粟田口鳥居町   名所地図情報名所

動力源:琵琶湖疏水

着工:1890年(皇紀2550)明治23年1月
運転開始:1891年(皇紀2551)明治24年5月

京都を彩る建物や庭園選定

 蹴上発電所(けあげはつでんしょ)は、琵琶湖疏水の水を利用して水力発電を行った日本最初の商用発電所

 蹴上疏水公園付近に貯水場があり、インクラインと並行して導水管が敷設されている

 第1期から第3期と3つの発電所が存在し、現在、第1期・第2期発電所の発電機能は廃止されている

 現在、一般家庭約5000世帯の電気使用量を送電している

【蹴上発電所の歴史・経緯】




【第2期蹴上発電所】

 <水車>
 形式:横軸フランス水車5台(うち1台は予備)
 馬力:1,700HP
 回転数:450rpm

 <発電機>
 形式:交流三相回転界磁型5台(うち1台は予備)
 出力:1,200kVW
 電圧:6,600V
 周波数:60Hz
 回転数:450rpm
 製造:アメリカ ゼネラルエレクトリック社


 <第2期蹴上発電所>
 2階建煉瓦造
 高さ16.6m(55尺)、地下4.2m(14尺)
 建築面積:付属水圧鉄管室を含め1059m2(321坪)
 屋根:鉄骨架構の石綿板葺

 <外観>
 ルネッサンス調のアーチ模様の意匠
 装飾性は少なく、幾何学的な立面構成
 大正時代の建築様式の先取りといわれる

 <室内>
 吹き抜け
 東側に機械室があり水車、発電機が置かれた
 西側は、2階造で、階上に配電盤、階下に変電機が設置された
 発電機能廃止後、京都大学原子核科学研究施設として使用したときに大幅に改造されている

 <揮毫>
 主出入口正面の上部に石額「亮天功」の揮毫が掲げられている
 皇族 久邇宮邦彦王の筆による
 「天功(てんこう)を亮く(たすく)」とは、「書経」にある中国古代の「聖天子」と称された瞬帝の勅語の一節
 「民を治めその所を得さしめる」との意味

 第3期蹴上発電所建設時に、第2期蹴上発電所が取り壊されなかったのはこの石額のためといわれる



【第3期蹴上発電所】

 取り壊された第1期蹴上発電所に南接して建設される

 建屋構造:バレル式
 材質:鉄筋コンクリート
 建屋面積:904.8m2
 取水箇所数:1カ所

 <水槽>
 材質:コンクリート
 縦15 x 横10.8 x 高さ5.0m
 余水路種別:暗渠
 余水路延長:538.5m

 <放水路>
 種別:無圧トンネル
 水圧鉄管内径:2.2-2.8m、長さ345m、厚さ9-14m
 落差34m

 <水車>
 設置台数:2台
 日立製作所製
 型式:フランシス
 軸方向:立軸、入口弁型式:バタフライ・バルブ
 総出力定格:12,573kW
 馬力:10,500HP
 回転数:257rpm

 <発電機>
 設置台数:2台
 日立製作所製
 型式:三相交流
 最大使用水量:16.70㎥/s、有効落差:33.74m、取水位:80.32m、放水位:45.93m
 出力:7500kVA/5700 kW、電圧:6600V、周波数:60Hz、回転数:257rpm


【その他】

 <水力発電事業発祥地
 蹴上発電所の入口付近に石碑が立てられている

 <琵琶湖疏水記念館
 蹴上発電所模型や、ペルトン式水車、スタンレー式発電機などが展示されている

 <京都電気鉄道会社
 日本最初の電気鉄道が、蹴上発電所の電力を用いて運行された

 <インクライン
 琵琶湖疏水を活用した、大津から宇治川の舟による運送ルートにおいて、水路の高低差により船が運行できない急な坂に
線路を引いて、三十石船をそのまま台車に載せて、上り・下り運行させた傾斜鉄道

 蹴上発電所の電力を用いて運行された

【蹴上発電所へのアクセス】

 地下鉄 東西線 蹴上駅 徒歩約5分
 市バス 京都会館美術館前 徒歩約10分


【京都検定 第6回3級】

【京都検定 第19回3級】

【京都検定 第20回3級】

【京都検定 第3回2級】

【京都検定 第6回2級】

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