美山町北重要伝統的建造物群保存地区は、京都府南丹市美山町にある山村集落
京都府のほぼ中央部を流れる由良川の上流部の河岸段丘地にあり、鯖街道(若狭街道)に開けた集落
北山型の茅葺民家が約50戸が特徴ある風情景観を持つ
美山町北は、京都府のほぼ中央部を流れる由良川の上流部の河岸段丘地にあり、鯖街道(若狭街道)に開けた集落
集落は、四方を山に囲まれ、南側に由良川があり、北側の山麓の傾斜地を整地して建てられている
東西600m、南北300mの範囲に山村の民家が点在する約50戸の集落で
北山型の茅葺民家が38戸建ち風情景観を持つ
最古の建物は、1796年(皇紀2456)寛政8年の建造で、18戸が江戸時代に建てられている
屋敷地の間の里道、石塔や石祠が点在している
集落では、粟(あわ)やソバ畑などが多い
周囲の水田と山林を含む集落全体127.5haが、選定されている
<北山型民家>
江戸時代中頃から末期にかけて建てられたもの
丈の高い入母屋造の屋根で、雨漏りを防ぐために頭頂部に茅が厚く葺かれている
屋根は合掌造りのように木材をハの字に組むだけでなく、梁と束で支えている
大量の茅を押さえるのに神社建築に見られる神社の千木のような馬乗(うまのり)を乗せている
馬乗は、雪割(ゆきわり)と称される細長い水平材にて繋がれ、茅葺屋根を安定させている
妻面の破風には、彫刻が施された懸魚が下がっており、その下には家紋の形に穴が穿たれ煙出しとしている
屋根裏では、垂木が縄で固定されている
家屋の壁は、土壁ではなく板壁とし、戸も木でできている
外部に露出した柱や梁は、雪などの湿気による腐食防止と害虫予防のためにベンガラが塗られて赤茶色になっている
入口は、古いものでは妻側に玄関のある妻入で、後世のものは平側に玄関が設けられた平入になっている
玄関内部の土間はやや狭く、雪が深く積もるため、土を盛って地面よりも高くする上げ庭(あげにわ)になっている
土間の横には厩(うまや)が設けられ、牛が飼育されていた
内部の間取りは、中央の棟木の筋で部屋を分け、食違いの田の字型に区切った「食違い四間取り」になっている
斜面に石垣を組んで平地を作り雛壇状に建てられているため、敷地南側には石垣がめぐらされている
<かやぶきの里保存会>
歴史的景観の保全と住民の生活を両立させる
住民が出資して有限会社かやぶきの里を設立し、
建造物の維持管理および観光施設としての運営が組織的に行われている
<一斉放水点検>
毎年5月と12月
<雪灯廊>
毎年1月
<かやぶきの里>
物販など観光客へのおもてなしがされている