下黒田の伏条台杉群(しもくろだのふくじょうだいすぎ)は、京北町の山間にスギの地方変種の巨木が群集しているところ
片波川源流域京都府自然環境保全地域にある
伏条台杉は「北山台杉」の原型
一つの根株から複数の幹が立ち上がった特有の樹形となったスギの地方変種が分布している
樹齢600年以上、胸高周囲10m、樹高20mにもなる巨木が群生している
森の京都 天上の木にも指定されている
「伏条」とは、地に伏す枝(条)という意味
下枝が枯れず、深い積雪に耐える強い粘りを持ち、
積雪などで押し下げられた枝が地面と接触した部分から根を出して、新たな独立した幹へと分離成長していく
日本海側の多雪地帯では、この形態の自然増殖を行うスギの地方変種がみられる
下黒田の伏条台杉群は、
樹齢600年から1000年、胸高周囲10m以上、樹高20m以上にもなる巨木群
天然記念物指定地域には、胸高幹径が1mを越える台杉が90数本あり、そのうち胸高幹径3m以上の巨樹は十数本ある
下黒田は、片波川源流域にある
片波川は、上桂川(桂川上流部)に注ぎ、上桂川源流域では古くから林業活動が行われていた
<伏条台杉(ふくじょうだいすぎ)>
一つの根株から複数の幹が立ち上がった特有の樹形となったスギの地方変種
根元が大きく膨らんで台のような形状になっており、その台の上に、複数の太い幹が伸びている
数本の巨木の根を平たく合体させたような形になっている
京都の庭園には、台杉を小型化して植えられていることも多い
<古くから続いてきた伐採法>
杉の巨木を切り出すときに、その根元ではなく、根元から2から3mのところで伐採する
切り株の上に新しい枝が出て、100年程経つと数本の巨幹に育つ
新しい巨木を切り取って、更に100年程をおくと、また数本の巨木が収穫できるようになる
台木の幹は、数百年の間に大きく太っていく
<平安杉>
樹齢1200年という平安時代から生き続けている古木
京都市右京区京北下黒田町蛇抜谷6
根元の幹周りは15.2m
近くに育っていたコシアブラの木を巻き込んで成長を続けている
<大主杉>
幹周10.8m
<大宿杉>
幹周5m
枯れた巨大な台杉に6種の木が宿っている
リョウブ、ソヨゴ、コシアブラ、ネジキ、ノリウツギ、スギ
窓杉(幹周4.6m)
大櫓杉(幹周10.6m)
舟形杉(幹周8.5m)
三本杉(幹周11.1m)
谷守杉(幹周10.5m)(カエデの谷)
二股杉(幹周9.7m)
がま口杉(幹周4.9m)
昇龍の栗(幹周2.5m)
留杉(幹周7.6m)
など
<片波川源流域京都府自然環境保全地域>
京都市右京区京北上黒田町・下黒田町・宮町、左京区広河原菅原町
第1号 平成11年3月30日指定
片波川源流域は、古くから御杣御料(みそまごりょう)(皇室の御料地)として守られてきたところ
ホンシャクナゲとヒメコマツやヒノキなどの針葉樹からなる巨木や古木が、国内有数の規模で群落している