片波川源流域京都府自然環境保全地域は、京北町北東部の片波川源流地域に原生的な自然環境が残る地域
片波川源流域(かたなみがわげんりゅういき)は、古くから御杣御料(みそまごりょう)(皇室の御料地)として守られてきたところ
ホンシャクナゲとヒメコマツやヒノキなどの針葉樹からなる巨木や古木が、国内有数の規模で群落している
京北町北東部の片波川源流地域に原生的な自然環境が残る地域
傾斜が急で険しいところであるため大規模な林業活動ができず、尾根部を主体に伏条台杉が広い範囲に残されている
左京区と境を接する稜線部に位置する鍋谷山山頂(標高859m)の南方約1km、
標高685mから東へ下る延長約800mの尾根部の森林には、多数の巨大な伏条台杉が群生している
ホンシャクナゲとヒメコマツやヒノキなどの針葉樹からなる巨木や古木が、国内有数の規模で群落している
原生的な自然環境が残る地域
特に、立地条件の厳しい稜線部に露出する岩崖上に局地的に植生しているものは自然度が高い
<指定面積全区域>
106.63ha(右京区98.62ha、左京区8.01ha)
<特別地区・野生動植物保護地区>
35.60ha(右京区33.04ha、左京区2.56ha)
保全地域の区域のうち、北側の稜線部付近
立入禁止となっている
<京都府天然記念物指定地域>
13.08ha
伏条台杉と称されるアシウスギの巨木などが群生している
胸高幹径が1mを越える台杉が90数本あり、そのうち胸高幹径3m以上の巨樹は十数本ある
観察路沿いのみ、地元ガイドの随伴を条件に入山することができる
<階層構造>
最上部の高木層
13~20m
伏条台杉の巨木、ヒノキ、イヌブナ、ミズナラ、モミ、ツガなどが混生している
亜高木層
6~14m
コハウチワカエデ、イヌブナ、リョウブ、クリ、ソヨゴ、アセビなど
低木層
1.5~6m
クロモジ、マンサク、スギの若木など
スギの周囲には、直径数cmの枝が地を這いながら根を伸ばし、先端部で立上り、
徐々に新しい幹へと分離していく伏条更新初期の様子が見ることができる
草本層、0.5~1.5mで、チシマザサ、チマキザサなどが地表を覆っている
<採取禁止動植物>
特別地区・野生動植物保護地区は、立ち入り禁止になっており、採取禁止の動植物が指定されている
植物17種、動物6種、計23種
アシウスギ、イケマ、イヌブナ、イワウチワ、ウラジロガシ、 エゾユズリハ、キヨスミヒメワラビ、クリ、コミネカエデ、
デワノタツナミソウ、 ミズナラ、ヒカゲツツジ、ヒトツボクロ、ヒノキ、ヒメコマツ、ブナ、ホンシャクナゲ、
エゾハルゼミ、ヒサマツミドリシジミ、ヒダサンショウウオ、フジミドリシジミ、ムカシトンボ、ムカシヤンマ
<片波川源流域>
片波川は、上桂川(桂川上流部)の上流部に注いでいる
上桂川源流域では古くから林業活動が行われていた
<宮 春日神社>
<御杣御料(みそまごりょう)>
皇室の御料地
長岡京、平安京の造営時や大内裏の再建・補修のときには、膨大な量の建築用材が、片波川源流域より供給されていた