オオサンショウウオ (大山椒魚)は、河川に生息する世界最大級の両生類とされる
絶滅危惧II類で、特別天然記念物として手厚く保護されている
最大全長150cmほどで世界最大の両生類
野生個体では、全長50〜70cm
頭は大きく平坦で扁平、ずん胴であしは短い
有尾類で、体の3分の1が尻尾になっている
目は小さく、口は大きい
体表には突起があり、ヌメヌメしている
背面は茶褐色で、不規則な黒い斑紋があり、同じ模様を持った個体はいないといわれている
上顎中央部に、鋭い細い歯が並び(鋤骨歯列)、浅いハの字状になっている
前肢は指が4本、後ろ肢には5本ある
卵は直径0.5〜0.8cmで黄色い
水生で、河川や水田の水路に生息している
夜行性で、昼間は水辺に掘った巣穴などで休んでいる
<餌>
河川に生息する小魚、カエル、沢蟹、甲殻類、貝類、ミミズなどを食べる
目が発達していないので、獲物を追いかけての捕食はあまりしない
待ち伏せて、目の前に獲物がきたら、すばやく噛み付いて捕獲する
<繁殖>
卵で繁殖する
オスは、6・7月に川辺に掘った横穴や岩の隙間に産卵巣を作る
8・9月に、オスが産卵巣にメスを誘い、300〜700個の珠数状の卵を産む
卵は約50日で孵化する
オスは、孵化するまで抱卵して、新鮮な水や空気を送り、卵を保護する
幼生は、生後3〜5年で変態し、全長約20cmほどの幼体になる
変態してから1・2年で、成体になる
幼生時はエラ呼吸で、成体になると肺呼吸に変わる
野生の寿命は、10年以上となる
<名前の由来>
山椒のような香りを発することによるといわれる
平安時代以前から「はじかみいを(山椒(はじかみ)、魚(いを))」と古称されていた
北大路魯山人の著作「魯山人味道」によると、
さばいた時に、強い山椒の香りが家中に立ち込めたといわれる
最初は堅かったが、数時間、煮続けると柔らかくなり、香りも抜けて非常に美味であったといわれる
<賀茂川>
食用として人為的に持ち込まれたチュウゴクオオサンショウウオが野生化しており、
在来のオオサンショウウオとの交雑が問題になっている
<京都水族館>
「京の川ゾーン」の大型展示コーナーで飼育されている