海の京都(うみのきょうと)は、日本海に面する京都府北部を京都市と並ぶ観光拠点とする京都府の観光ブランド戦略事業
国の観光圏にも認定されている
<目的>
京都という観光ブランドと、海という北部の資源を結びつけた「海の京都」という統一テーマのもと、
歴史的・地理的背景や交通基盤の整備を生かし、魅力的な観光まちづくりをソフト・ハード両面から進めることによって、
京都市と並ぶ滞在型交流型観光圏の形成を目指す
<参画団体>
京都府北部の7市町(福知山市・舞鶴市・綾部市・宮津市・京丹後市・伊根町・与謝野町)
京都府
各地域観光事業者
など約70団体
<京都府北部地域>
日本海に面しており、古代より大陸との交流の窓口として繁栄して、日本の国生み神話の重要な舞台となる
京都府南北をつなぐ京都縦貫自動車道が全線開通
大型クルーズ船等に対応した舞鶴港の埠頭が整備
など陸路・海路の双方からのアクセスが飛躍的に向上してきている
<発信力・集客力のある「戦略拠点」の形成>
「海の京都」の核となる、観光拠点を形成するため、重点整備する戦略拠点を設定
府道などの公共施設や旅館の外観などを歴史文化に根ざしたデザインに統一し、観光客が歴史文化を感じ、
自然景観を楽しむことができる魅力的なエリアが形成される
<戦略拠点等を結ぶ観光交流基盤の整備>
日帰り観光から、より経済波及効果の高い滞在型観光へと転換していくため、
各戦略拠点等を結ぶ広域の回遊システム(交通インフラ整備、周遊観光プランづくり等)が整備される
北近畿タンゴ鉄道への新観光型車両を導入により、旅の魅力向上が図られる
<戦略的な広域観光プロモーション>
「海の京都」の統一的なテーマによる観光プロモーション、首都圏や海外など市場ごとの特性を生かした観光企画
および戦略的広報等を効果的に展開される
統一ロゴの作成や海の京都パスポートの作成等によるブランド戦略
イベント開催や各種ツアーの造成による誘客が行われる
「観光圏の整備による観光旅客の来訪及び滞在の促進に関する法律(観光圏整備法)」に基づき、
日本を観光立国とする実現に向けて整備し、観光旅客の来訪および長期の滞在を促進するために、
日本の国土交通省 観光庁により認定される
<海の京都観光圏>
コンセプト:平安の都人が憧れた桃源郷
対象市町村:京都府:福知山市・舞鶴市・綾部市・宮津市・京丹後市・伊根町・与謝野町
認定機関:2014年(皇紀2674)平成26年から2018年(皇紀2678)平成30年までの5年間
<設定理由>
古来、大陸からの文化の玄関口であり、都として繁栄した京都の後背地として、多くの食材や人材を供給してきた
江戸時代以降も北前船、由良川水運を通じて、京都の文化、生活を支えてきた歴史がある
現在も、舞鶴港は、大陸からの玄関口としての機能を持ち、今後の人流、物流の拠点となる可能性がある
また、福知山市や綾部市は、丹後半島と京阪神都市部の交通結節点となるため、沿岸部が持つ多様な地域資源、
地場産業等を有機的に繋ぎ、圏域内の2泊3日以上の滞在推進を図ることが可能となり、地域活性化に寄与できる
<天橋立主たる滞在促進地区>
区域: 宮津市文珠・府中
設定理由:
日本三景の天橋立など、歴史や文化、豊富な食資源、温泉が集積している
京阪神からのアクセスとして、北近畿タンゴ鉄道(KTR)の天橋立駅、京都縦貫自動車道の宮津天橋立ICおよび
与謝天橋立ICが近在しており、利便性が高く、本圏域の滞在促進の中核として展開する
歴史や文化の魅力にあふれる滞在コンテンツ(股のぞきができる天橋立ビューランド、傘松公園、日本三文殊の智恩寺文殊堂、
元伊勢の籠神社や真名井神社、西国三十三所観音霊場の成相寺、天橋立の松並木、名水百選の磯清水など)が
多数集積しており、地区内の入込客数からみて圏域内のシンボル的な地区と位置付けられる
また、徒歩圏でも多くの資源を楽しめ、レンタサイクルや汽船などによる往来の利便性も高く、
主たる滞在促進地区として資源間の連携をさらに強化することで、満足度向上を図ることができる
さらに、夕日ヶ浦滞在促進地区やその他の滞在促進地区や交流地区が道路・鉄道によって放射状に点在しており、
双方の主たる滞在促進地区から等時間距離で各観光資源に移動することが可能であり、観光客及び地域内の連携にとって
効果的・効率的となる
<夕日ヶ浦主たる滞在促進地区>
区域: 京丹後市網野町
設定理由:
地区内の宿泊床数の集積は圏域内で最も大きな規模があり、夕日ヶ浦温泉と冬季のカニシーズンの集客力は大きく、
本圏域の滞在促進の中核として展開する
本地区は、丹後半島一周の西の入口となっており、
網野町を中心に東西に広がる海岸線は山陰海岸ジオパークに位置づけられ、
日本夕陽百選の浜詰海岸から見える夕日ヶ浦の夕日、海岸線に点在する滞在コンテンツ
(立岩、屏風岩等の奇岩、丹後松島等の海岸美、鳴き砂の琴引浜など)への移動も効果的である
本地区では、浜詰海岸の砂丘上にある浜詰遺跡など縄文時代のくらしの名残や、出土品からは、
古代からの大陸との交流により様々な文化や文明が取り入れられ、和の精神・自然との共生・万物への畏敬など
独自の生活スタイルが生み出され、今に息づいていることがうかがえる
これらの古代ロマンを学び、体感するとともに、温泉につかり、山海の幸を堪能する癒しの宿泊プランを提供することにより、
圏域内での連泊促進につながると考えられる
また、天橋立滞在促進地区とは異なる個性を有する海の文化をテーマに、
その他の滞在促進地区や交流地区との各観光資源とつながることで、相乗的な滞在プログラムの展開を図り、
観光客および地域内の連携を充実させることが可能となる
<舞鶴滞在促進地区>
区域: 舞鶴市
設定理由:
地区内の宿泊床数の集積は、ビジネスホテルが中心である
ホテル周辺には新鮮な海の幸を提供する趣のある飲食店も多く、圏域内ではめずらしい泊食分離型の特徴があり、
個人客等の誘引やまちなかの回遊を図る「滞在促進地区」に設定し、主たる滞在促進地区と連携する滞在拠点として展開する
本地区には、国の重要文化財に指定されている旧海軍の「赤れんが倉庫」が建ち並び、
桟橋に停泊する海上自衛隊護衛艦を間近に見られる「海軍ゆかりの港めぐり遊覧船」や
近畿百景第1位の舞鶴湾を一望できる「五老スカイタワー」、
戦国大名の細川幽斎が築いた田辺城跡など、豊富な滞在コンテンツがある
本地区を、泊食分離型の宿泊提供エリアとして、他の滞在促進地区や交流地区における宿泊(観光)に誘導することで、
2泊3日以上の新たな滞在プログラムを展開することが可能となる
海の玄関口である舞鶴港には、年間10回以上の大型外航クルーズ船等の寄港により、
1万人を超える観光客が当地を訪れる予定であり、人流・物流の拠点を形成している
さらに、中京圏、北陸圏からの高速道路網の玄関口でもあることから、海の京都観光エリアの観光総合窓口機能や
滞在プログラム、圏域内の着地型旅行商品の販売・紹介を行うことが有効である
<福知山滞在促進地区>
区域: 福知山市
設定理由:
地区内の宿泊床数の集積は、ビジネスホテルが中心であり、ビジネス客の滞在推進も視野に入る
京阪神からの交通の要所として、主たる滞在促進地区と連携する滞在拠点として展開する
本地区の周辺には、明智光秀ゆかりの福知山城、御霊神社、由良川堤防・明智薮、治水記念館など、
中世から近世の趣を残す豊富な滞在コンテンツがある
本地区を、ビジネス客を対象にした宿の起点として、他の滞在促進地区における宿泊・観光に誘導することで、
2泊3日以上の新たな滞在プログラムを展開することが可能となる
さらに、飲食店等が集積する「ゆらのガーデン」や丹波くり・黒豆等地元食材を使った和菓子・洋菓子のスイーツ店など、
城下町ならではの観光素材を組み合わせた滞在コンテンツの造成を図り、他の滞在促進地区や交流地区と連携することで、
圏域内の歴史の変遷や時の流れを感じることのできる滞在地区を形成できる
<大浦交流地区>
区域: 舞鶴市
設定理由:
海・里・山の豊かな自然が広がる大浦半島
「舞鶴ふるるファーム」での農業体験や体験漁業管理施設「しおのめ」等での漁業体験などの体験プログラム、
「舞鶴自然文化園」での自然観察プログラム、
「エル・マールまいづる」でのエネルギーや船の学習・体験、「舞鶴引揚記念館」での平和学習などの学びの場を提供できる
これらのプログラムを組み合わせた滞在コンテンツを造成し、圏域内の周遊性を高める
<宮津まちなか交流地区>
区域: 宮津市
設定理由:
宮津城の城下町として整備されている
北前船で栄えた豪商の屋敷や寺町、明治時代に建立されたカトリック教会など、まちなか散策のスポットが点在している
まちなか散策に、丹後とり貝や干物など海の幸や、B級グルメとして人気が高まっているカレー焼きそばなど、
食と組み合わせた滞在コンテンツの造成を図ることで、滞在促進地区と連携し、圏域内の回遊性を高める
<間人・琴引浜交流地区>
区域: 京丹後市
設定理由:
山陰海岸ジオパーク内にある
国の天然記念物および国の名勝の「琴引浜」や、
奇岩の「立岩」、「屏風岩」などジオパークを象徴する景観を有し、
ガイドが常駐するジオパーク拠点施設があり、滞在コンテンツが整備されている
間人の地域ブランドの「間人ガニ」が水揚げされ、約30軒の宿泊施設には主に関西圏からカニを食しに多くの観光客が訪れる
他の滞在促進地区との連携をさらに強化することで、圏域内での連泊促進につなげる
<久美浜・小天橋交流地区>
区域: 京丹後市
設定理由:
城下町として栄え、「豪商稲葉本家」や古刹「如意寺」などのスポットがある
このしろ寿司や鯛せんべい、地酒など食の魅力と組み合わせたまち歩きや、ガイドによる観光案内も行われている
久美浜湾と日本海を隔てる砂嘴の小天橋には全国的にも珍しい狭いエリアに民宿群が立ち並ぶ風景を有し、
久美浜湾を活用したカヌーや遊覧船などの体験メニュー開発や、かぶと山の展望台整備など滞在コンテンツをさらに磨きをかけ、
圏域内周遊性を高める
<伊根浦舟屋群交流地区>
区域: 伊根町
設定理由:
日本で一番海に近い暮らしとされる舟屋が約230軒建ち並び、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されている
この舟屋群を、海からは海上タクシーや遊覧船、陸からは伊根浦散策案内人によるガイドなどで巡ることができ、
人とのふれあいと今なお息づく漁村の暮らしを体感するコンテンツがある
また、他地区との連携やこれらを組み合わせた滞在プログラムをさらに充実させ、圏域内に来訪する観光客の満足度を高め、
リピーター化につなげる
<浦島伝説交流地区>
区域: 伊根町
設定理由:
日本最古の浦島伝説が伝わる浦嶋神社には、玉手箱や絵巻物など宝物が拝観できる
その一帯には、浦嶋太郎の兄弟の屋敷跡や竜宮に通じるとされる龍穴などがあり、
浦島伝説めぐりの滞在プログラムを造成、ブラッシュアップを図り、圏域内の周遊性を高める
<昭和モダン・シルクの里もてなしゾーン交流地区>
区域: 与謝野町
設定理由:
古くから栄える丹後ちりめんの産業がもたらした華やかな町並みが残る
国の重要伝統的建造物群保存地区のちりめん街道の一帯には、大正時代から昭和時代初期の「与謝野モダン」の
イメージがあふれている
語り部などおもてなしの魅力や、丹後ちりめんの産地にちなんだ機織り風景の見学や、染色・きもの体験、
サイクリングロードもある古墳公園、加悦SL広場など道の駅周辺エリアのノスタルジアな空間、
天橋立の横一文字の眺望や温泉資源、旅館・ホテルなどを組み合わせた滞在コンテンツの造成を図り、
他の滞在促進地区と連携し、圏域内の周遊性を高める
<大江山自然体験交流地区>
区域: 与謝野町
設定理由:
蛇紋岩系の山々からなる数少ない連峰で、全長6.2㎞のハイキングコースが整備されている
それぞれの山頂からの景色をはじめ、四季折々の山野草、樹木等を山岳ガイドが案内する
風光明媚な環境の下での自然体験をコンセプトとして、恵まれた地域資源を活用した滞在コンテンツの造成を図り、
他の滞在促進地区と連携した圏域内の回遊性を高める
滝の千年ツバキ公園
推定樹齢1200年の日本最古級のヤブツバキとされる「滝の千年ツバキ」や「加悦椿文化資料館」があり、
椿を見て学習できるスポットとなっている
<大江山酒呑童子の里交流地区>
区域: 福知山市
設定理由:
圏域のほぼ中心部にある大江山は、酒呑童子鬼伝説が残る
「丹後天橋立大江山国定公園」に指定され、多くの歴史資源や豊かな自然景観がある
元伊勢内宮皇大神社や元伊勢外宮豊受大神社は、伊勢神宮の元宮と言われ、
古事記の神代の時代から、日子坐王、麻呂子親王、中世の源頼光の三つの大江山の鬼退治の伝説など、
神秘と謎に包まれた観光スポットである
これらの資源を活用し、伝説と神話が息づく伝承地を巡り、古代日本の世界に思いを馳せる魅力的な滞在プログラムを
造成することで、他の滞在促進地区と連携し、圏域内の回遊性を高める
<〜グンゼから大本〜 綾部まちなか交流地区>
区域: 綾部市
設定理由:
グンゼ綾部本社周辺はグンゼ発祥の地であり、近代化遺産として認定されたグンゼ記念館・グンゼ博物苑など
大正時代や昭和時代の建造物が残り、美しい町並景観が形成されている
綾部バラ園、あやべ特産館と一体となり運営されるあやべグンゼスクエアを中心として、
綾部のまちなかに魅力的な滞在コンテンツを造成することで、他の滞在促進地区と連携し、圏域内の回遊性を高める
神道系宗教法人大本の聖地もある
<綾部東部里山交流地区>
区域: 綾部市
設定理由:
水運を支えた由良川最大の支流である清流上林川の恵みを受け、日本の原風景ともいうべき里山が広がる
豊かな緑に囲まれた「あやべ温泉」、昔ながらの製法を守る手漉き和紙の伝統の技を体験できる「黒谷和紙工芸の里」、
田舎暮らし体験ができる農家民宿など、体験素材が豊富にある
これらの資源を活用し、魅力的な滞在コンテンツを造成することで、他の滞在促進地区と連携し、圏域内の回遊性を高める
<海の京都博 〜さあ、知と遊の冒険へ〜>
期間: 2015年(皇紀2675)平成27年7月18日〜11月15日
開会式典会場: 宮津会館ホール(宮津市)
会場: 福知山市・舞鶴市・綾部市・宮津市・京丹後市・伊根町・与謝野町の特設会場
メインイベント: 京丹後市 夕日ヶ浦・浜詰特設会場
<森の京都>
南丹広域振興局管内の亀岡市・南丹市・京丹波町の3市町と、
中丹広域振興局管内の福知山市・舞鶴市・綾部市の3市、
京都市の旧京北町
我々の生命と文化を育んできた「森」について多面的な角度からとらえ、豊かな自然と文化に触れ、活かし、
未来に受け継げるよう林業の活性化や森の文化の発信など、貴重な京都の「森」が地域を元気にする大きな力となることを
目指している
<お茶の京都>
京都府南部地域の宇治市・城陽市・八幡市・京田辺市・木津川市・久御山町・井手町・宇治田原町・笠置町・
和束町・精華町・南山城村
お茶生産地として最も長い歴史があり、素晴らしい景観を形成しており、現在も最高品質の緑茶を生産している地域において、
世界文化遺産登録に向けた取組を契機に、宇治茶をテーマにお茶生産の美しい景観維持やお茶産業の振興、
お茶文化の発信などを進めている