京料理は、食材本来の持つ味や色を生かし、調味料ではなく、出汁や食材でしっかりした味が出され、
日本料理の原点とされる
京都は、三方を山に囲まれた京都盆地の中にあり、海浜から遠いため、山や野の幸を中心とした料理が発達し、
琵琶湖に近いことから淡水の産物を中心とした料理が発達してきた
魚介類などを塩引きしたものをうまく取り合わせるのも特色
若狭鰈(わかさがれい)の干物や、ぐぢの一塩物・昆布〆(こぶじめ)・へしこ・棒鱈(ぼうだら)・身欠き鰊(みがきにしん)を
用いる伝統がある
土地の利を生かした野菜料理の蔬菜文化も京料理の特色
江戸時代後期の作家 滝沢馬琴は、
京で良いものとしては「女子、鴨川の水、寺社」
京の悪いものとしては「吝嗇(りんしょく)、料理、船便」と言い
京都の魚料理をけなし、
京で味の良いものとしては「麩(ふ)、湯葉、芋、水菜、うどんぐらい」と言っている
<京料理を体系作る4つの料理>
・公家を中心とした「大饗料理」
・武士を中心とした「本膳料理」
・寺院を中心とした「精進料理」
・茶道とともに発達した「懐石料理」
<大饗料理>
平安時代
平安貴族たちが、淡水魚、塩物、干物を中心として蔬菜類と、猪、鹿、雉(きじ)、鴨などの肉を使って催した饗宴を
「大饗」と称され、台盤(だいばん)(机)の上に並べられたため「台盤料理」とも称される
主な2種類
二宮大饗(にぐうのたいきょう) :中宮(ちゅうぐう)や東宮(とうぐう)で行われる
大臣大饗(おとどたいきょう) :大臣家(おとどけ)で行われる
<本膳料理>
室町時代
小笠原家・伊勢家などにより武家故実が整い、武家の式正料理(しきしょうりょうり)として成立する
七五三膳(しちごさんぜん)などが、最も整った形式とされる
包丁家も登場する
大草流(おおくさりゅう):足利将軍家の包丁人 大草公次が創始
進士流(しんじりゅう):細川晴元の包丁人から興る
園部流(そのべりゅう):三河 松平家から興る
<会席料理>
江戸時代
連歌や俳諧の席「会席」が料理茶屋(りょうりぢゃや)で行われるようになり、酒席向きの料理として工夫されたもの
<懐石料理>
禅宗寺院における斎食(さいじき)の作法が定着した精進料理から、
禅宗との結びつきによって精神性を重視するわび茶により、茶懐石から発展した一汁三菜を基本とした料理
<普茶料理>
黄檗宗独特の精進料理
中国 明から招聘された中国 臨済宗の隠元隆きが広め、萬福寺や周囲の塔頭でおもてなしされる
植物油が多く使われており、大皿に盛られて取り分けて食べる
宗祖 隠元隆きは、インゲンマメや、孟宗竹、スイカ、レンコンなども中国からもたらしたといわる
暦との関係により、安価な旬の素材を駆使した献立が決められている
献立を考えずにすむ合理的な習慣や、
神仏や祖先への崇敬の表われによる
1日
小豆ご飯(うるち米に小豆を入れて炊くあずのご飯)を食べ、家中が、まめで暮らせるようにと願う
鰊昆布を食べ、渋みのあるにしんと昆布で「しぶう、こぶう暮す」という
なます
8日、18日、28日
荒布と揚げ
15日
あずのごはん、いもぼう、なます
末日
おから、巳寿司(みずし)、寅蒟蒻(とらこんにゃく)、卯豆腐(うどうふ)
元旦
お雑煮
丸小餅、頭芋、雑煮大根、小芋など丸いものを用いて、白味噌で仕立てられる
お節料理の「三種」 : ごまめ、たたき牛蒡、数の子
それぞれ生活姿勢や人生の夢を託して食べられる
正月三が日
にらみ鯛 : 塩焼きにされた鯛で、三が日は箸をつけない
4日鏡開き : 水菜のお雑煮
7日 : 七草粥
十日ゑびす大祭 : 糸かけの鯛
15日 : 小豆粥(あずきのおかいさん)
20日: 骨正月 : 鰤(ぶり)や鮭(さけ)のアラのおだい(大根)
節分(せつぶん) : 節分の鰯
初午の日(はつうまのひ) : 畑菜の辛子和え・小豆ご飯
伏見稲荷大社ゆかりの秦氏を偲び、畑菜(はたけな)の辛子和え(からしあえ)を食べて、伏見稲荷大社へ参拝する(初午の稲荷詣)
大社を創建した秦伊呂具に由来する畑菜
大社に仕える狐の好物の辛子を利かせて食べると縁起がいいといわれる
雛祭 : 桃の節句料理
ばら寿司、蜆(しじみ)や蛤(はまぐり)などの貝料理
とり貝と赤貝のてっぱい(てっぽう和え)
姫鰈
引千切、菱餅(ひしもち)、白酒(しろざけ)
かつて、鰈(かれい)は生で供して家へのお土産にした
この古習はなくなったが、結婚式の折り詰めと同様に「家族への慶びのお裾分け」の意味があった
祇園祭 : 鱧祭(はもまつり)
鱧のおつくり、焼物、酢の物、吸物、寿司と全て鱧尽くしで食べる
土用の丑の日: うなぎをたべる
氏神の祭礼の日
氏子では親戚や知人に鯖寿司を配る
鯖寿司は、祇園祭の祭料理でもある
祇園祭の頃:
7月〜8月に、生しば漬の1年分が漬け込まれ、その年の新漬けの樽出しが始まる
冬至
中風(ちゅうぶ)除けとして、おかぼ(南瓜(かぼちゃ)の炊いたものを食べる
冬至の七種
運(うん)・根(こん)・鈍(どん)の三拍子がそろって初めて出世するといわれ、それにあやかるために
「ん」が2つつくものを7品食べる
なんきん、にんじん、れんこん、ぎんなん、きんかん、かんてん、うどん(うんどん)
<四条流包丁式>
平安時代から伝えられる日本料理の流派
藤原山蔭が、光孝天皇の勅命により包丁式(料理作法)を定めたもの
<生間流式包丁>
四条流包丁式から分かれた流派の一つ
鎌倉時代、源頼朝から生間姓を賜り、足利家・織田家・豊臣家に仕えたとされる
明治時代まで八条宮(桂宮)家の料理人を務めた
<進士流>
室町時代末期に、細川晴元に仕えた進士次郎左衛門尉が創始した四条流包丁式の分流
<おばんざい>
昔より京都の一般家庭で作られ食べられてきたお惣菜
<仕出屋>
京都では、お客に家庭料理は失礼にあたるとされ出さず、仕出屋さんの料理でもてなす
そのため京都には、仕出し専門店が多くあり、家庭の台所まで出張し盛り付け・片付けまでする
素材から調理道具・食器類まで持ち込み、その家で調理して出すこともある
<京の台所>
寺町通から高倉通の間にある錦小路通の商店街
細い路の両側に鮮魚や青果の店が立ち並ぶ
<食べ初め>
生後100日か120日目に母乳以外の食べ物を初めて食べさせる行事
尾頭付き・赤飯・吸い物・なますとともに小石が添えられる
<川床料理>
川の上や真横に板を置いてお座敷を設け、納涼と料理、風流さを楽しむ
<朝粥>
<鮎>
<大原生しば漬>
<お節料理>
<木の芽煮>
<鯖寿司>
<ずいき>
<千枚漬>
<大徳寺納豆>
<たぬきうどん>
<七草粥>
<にしんそば>
<葱とはんぺいのお汁>
<畑菜の辛子和え>
<京湯葉>
<若狭ぐじ>
<京都肉>
<亀岡牛>
<清酒>
<伏見のお酒>
<関酒造>
<祝(いわい)>
<京野菜>
<京漬物>
<京菓子>