<膳の形式>
式三献、お雑煮、本膳、二の膳、三の膳、硯蓋からなる
大規模な饗宴では、七の膳まであったともいわれる
膳の多くは「見る」料理であり、実際に食べることができる料理は少なかったといわれる
<献立>
基本は、一汁三菜にあり、一汁五菜、二汁五菜、三汁七菜などがある
一汁三菜の内容は、ご飯・汁物・なます・煮物・焼物・香の物であり、ご飯と香の物は数えない
菜の数は、必ず奇数となる
お膳が代わるたびに汁物がつく
お汁を用いない「脇膳」や、焼物だけの「焼物膳」などもある
<配膳>
お膳は、脚付きの高足膳(たかあしぜん)(高さ約40cm)を用いる
お膳には、すでに盛りつけた料理が一度に並べられている
お膳を並べられる順序は、本膳、二の膳、三の膳の順
上座の客から先に、順次、下座の客に配膳され、最後に主人に配膳される
持ち方は、料理に呼気がかからないように両腕を伸ばし、身体から離して目八分目の高さに捧げ持つ
膳を先方に向け、左右の両縁にそれぞれ両手を掛けて、客の前の適当な位置におく
本膳は客の正面に、二の膳は客から向かって本膳の右に、三の膳は本膳の左に、
四の膳は本膳の向こう側で本膳と二の膳との間に、五の膳は本膳と四の膳との間にかけて置かれる
<式三献(しきさんこん)>
初献・二献・三献と酒肴(しゅこう)のお膳を三度変え、そのたびに大・中・小の杯で1杯ずつ飲みほし、9杯の酒を勧めるもの
<焼物膳>
四の膳(与の膳)
一般的に、小鯛の尾頭付きの塩焼きが出される
お土産用として折り詰めにして持ち帰る
<引き物膳>
五の膳
お土産用の膳で、「台引」とも称される
<硯蓋(すずりぶた)>
硯の蓋に供される
きんとん・羊羹・寒天菓子などの料理菓子や、蒲鉾・牛蒡・小魚の佃煮など保存できる食物が出される
持ち帰る慣わしがあった
江戸時代に出されるようになったもの
室町時代中期頃
複雑になった本膳料理を専門に調理する料理流派が成立した
<大草流>
室町時代に、室町幕府奉公衆の大草三郎左衛門公次により創始された
相伝書として「大草家料理書」「大草殿より相伝の聞書」などがある
<進士流>
室町時代期に、細川晴元に仕えた進士次郎左衛門尉が創始した四条流包丁式の分流
<小笠原流>
本膳料理の食事作法を定めた「食物服用之巻」などの書物がある